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第一話 ウインクは反則だと思います。
とある日の夕方。
長男が、じーっと私を見つめている。
「ん?どうしたの?」
声をかけても、長男は答えない。ただ、真顔のまま、ズンズンこちらへ近づいてくる。
そして私の目の前まで来ると、両手で私の頭をがっしりホールド。
そのまま、おでこにチュウ。
「…………Why?」
いや待て、もしやこれは!!!
いつも私が寝る前にしている「おやすみのチュウ」のマネなのか!!!??
くっそ可愛いじゃないかあああああ!!!
脳内で母親が盛大に悶絶していると、長男の頭がスッと離れる。
あ、待って、もう少し堪能させて――
ウインク、ぱちり。
そしてニヤリとキメ顔をする長男。
ずぎゅうあぁぁぁーーーーん!!!!
撃ち抜かれた。
完全に撃ち抜かれた。
私の脳内では、格闘ゲームよろしく体力ゲージが一瞬で吹き飛び、画面いっぱいに「KO」の文字が浮かんでいる。
しかもパーフェクト。
おでこにチュウされただけなのに。
いや、その後のウインクは聞いてない。
反則。
これは反則です。
レッドカード大量生産。床が真っ赤やで。
…………あ、なんだ。
私の鼻から出てるのか。
あっはっは。




