お仕立て 舞踏会ドレス 5
今回の服は、グルジアの婚礼衣装がモデルです。
ただ、ユーディトがかなり活動的なため、たぶん中はパンツ姿、骨をおしりの辺りに入れて少しスカート部分を膨らますだけ、をイメージしてます。
王子様なんで、この人。
もしよかったらグルジアの婚礼衣装、検索してください。素敵ですよ。
ヴォルフラムの指示は的確だし分かりやすかった。反物から生地を伸ばし、ユーディトの肩に掛ける。
「リゼ、そこ持ち上げて。5センチくらい」
「はい!」
ただ、むちゃくちゃ多い…
じっとしていてくれるユーディトにはとても助かるが、その回りで私とヴォルフラムは花に蜜を取りに来た蜂だった。
蜂の毒針はないが、まち針で生地を刺して花を仕上げていく。
「次はここ。襞を作ってくれる?生地は15センチ巾の6番」
「…はい。3センチ幅にしました」
ヴォルフラムは私の声を聞くと、壁の方に離れていった。手の指でフレームを作り、眺めてる。
私は邪魔にならないように離れようとしたが、
「バランス悪いわね。1センチ襞に変えてくれる?」
…まだまだ針を刺す必要がありそうだ。
どれぐらいか時間がたったとき、年嵩の女性が来て、昼食を告げてきた。ヴォルフラムはニアを呼びに部屋から出ていってしまった。
「ヴォルフラムとよく付き合ってくれているな。大したものだ」
しゃがみこんで、まち針で仮止めしている部分を慎重に外すと、ユーディトから服は滑り落ちた。軽い音がなる。
「今まで村では飾りのバランスを気にするような華やかな服を、姉以外と作ることがなかったから、新鮮です。
それに」
ユーディトから落ちた服を拾い上げると、ニアが持ってきたトルソーに服を纏わせる。
「この服、見事だなって」
今回仕立ててるのは、外套に当たる部分だそうだ。
袖には肘丈でスリットが入り、長くとられている。襟の部分は立ててあり、ユーディトの短い髪に映えそうだ。
今は腰の辺りがすとんと落ちてしまうが、もう少し膨らませて…
ヴォルフラムに見せてもらったラフ画ではこれに刺繍が入る。
ニアを連れてヴォルフラムが部屋に戻ってきた。
「ユーディト様だからこそ着こなせる服ですから。
それにユーディト様が着てくださるから、商会にも注文がたくさん来ますし」
「ヴォルフラムのものは着やすいからな。
他の仕立てはコルセットをぎゅうぎゅう締め付けるから嫌だ。
まだ馬から落馬して肋骨を折る方がマシだ」
顔をしかめながらユーディトは話をするが、肋骨折る方が…でもコルセットもポキって折れるらしいし。
「まあ、まだ人形みたいにじっとしていろと言うのは、勘弁してほしいが…楽しみにしてるぞ、ヴォルフラム」




