お仕立て セレモニードレス その10
すみません、推敲してないですが、途中まで書いてしまったので上げます。
今晩修正します。
2019/10/26
直しました。途中保存機能がわからず、すみませんでした。
言われてみればリトは昔体が弱かった。
しょっちゅう熱を出しては、まだ生きていたお母さんが寝ずに付きっきりでリトのお世話をしていたことが多かった。
ポタージュをスプーンで掬い、口に頬張る。
お母さんが亡くなった後も幼いリトは熱を出した。私はお母さんみたいに寝ずのお世話は出来なかった。夜はすぐ眠くなる質なのだ。
なんとか起きていようと、お姉ちゃんから教わった縫い物をして起きていようと頑張ったことはある。…もともとぬいぐるみ付きのタオルを頑張るつもりが、頑張りきれなくて、なんとか端だけ縫い合わせたタオル生地の布、だったはず。
お母さんがいないとメソメソ泣くリトに笑ってほしくて。うまく行かないからせめて元気になってほしくて。
…なんだか思い出したなあ。
「たまにリゼ姉が造るものは不思議なときがあるって話だったよ。友達に組紐作ってくれて、友達がそれを良く迷子になる猫の首に付けたら、家にちゃんと帰ってくるようになったとかさ」
「それ、ただ単に首輪ついてるから、他の人が飼い主分かりやすくなっただけじゃない?
私がどうこうじゃない気がするけど」
リトの例はなんか違う気がするなあ…
ふーふーしながらスープを再び飲む。あー、本当に美味しい!
串に挿されたハムを食べると肉汁が口の中に広がる。脂身って美味しいよね!
「んな、私はお姉ちゃんに教わって裁縫始めて、お店をお母さん、お姉ちゃんから継いだだけの状態だし。
腕もまだまだ未熟だし、もっと磨かないと」
そうなのだ、刺繍の細かさや、パターンの取り方、村では大分さまになってきたのだけど、どうも垢抜けない感じなのだ。
たまにサラが王都で仕入れた品を見ると、垢抜けている。生地からして目の揃いかたや、刺繍の糸の滑らかさ、もう素材からみんな違う。
それを前に私が作ると…どうにも洗練がされてないのが気になっているのだ。
「王都で少し修行させてもらおうかな…カイさんとか伝はありそうだし」
「…村も今はこんな状態だしね。いつまでもサラさんに食料調達でお世話にもなれないから、落ち着くまでリム姉にお世話になるしかないかもしれないね…」
親も親戚もいない、足もないって言う環境確かにキツイ…
リトの顔を見る。
「学校、休むことになっちゃうよ?」
「王都なんだから、ここよりも学ぶ場はたくさんあるよ。それにカイさんが魔法教えてくれるって前話してたし、それにお世話になるのもありかな、って」
リトと顔を見合わせ、吹き出した。
「…予定より早いけど、行っちゃおうか。王都」




