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そういえば仕事、もう何日休んでるのだろう?
行きたくないって思っててもやっぱり行かなきゃ…。
あの人達だけはあたしをちゃんと心から求めてくれている。
「もしもし。」
『あ、りさちゃん!
やっと出てくれた!』
ああ、別人に慣れる魔法の呼び方…。
夜だけのあたしになれる名前。
(りさ)その名前があたしは大好きだ。
「ごめんなさい!
最近ちょっと病む事が多くて…。」
『大丈夫?仕事いける?
無理はしなくていいからね?』
「今日出勤していいですか?」
『大丈夫だよ!』
あたしの仕事は決して誰かに褒められたり羨ましがられたりしない職業だ。
でもあたしにとっては誇りを持ってとまではいかなくても、大切な仕事。
こんな誰にも必要とされてないあたしでも、風俗のお客様だけは違う。
例え、求められているのは体だけだったとしても…
あたしにとってはすごく幸せな事。
誰かの温もりを感じて、誰かに愛してもらって
ただそれだけでお金がもらえる。
「はい、じゃあ今日夕方19時に迎えに来てください。」
あたしは、そう言って電話を切り眠りにつく。
夜の楽しみの為に。
眩しい外界の光を遮るカーテンとあたしの心は真っ黒だ。
黒
今のあたしにとって白よりも素敵な、大切な色。




