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旧作2-1  作者: 智枝 理子
Ⅰ.騎士と紅の瞳の新入生
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04 王国暦五九八年 コンセル 二十一日

「エルロック」

 顔を上げる。

 シャルロだ。

「これ、やってみろ」

 目の前に出されたのは、テスト?

 テストなんて昨日で終わったばかりなのに。

 何のテストだ?これ。

「おーい、全員座れ!ホームルームを始めるぞ」

 …難しいな。

 でも、解けそうな気がする…。


 違う。こうじゃなくて。


 できた。

 次は?


 あぁ、そうだ。こういう風に考えれば。


 この器具って、サイフォンに似てる。

 だとすると…。


「おい、食えよ」

 目の前に置かれたのは、サンドイッチと何かの飲み物。

「?」

「もう昼休み終わるぞ」

 もう、そんな時間か。

 サンドイッチを食べながら、問題を解く。

「なぁ。何やってるんだ?」

 美味い。

「教師が怒ってたぞ。お前、本当に人の話し無視するよな」

 集中してると人の話しなんて聞けない。

 コップを取って、飲む。

 甘い。

「効くか?」

 あぁ。また、薬作ってくれたのか。

「……」

 声、出ないな。

 前のと何が違うんだ、これ。

 ミエルの味ばかりで良くわからない。

 あぁ。集中が途切れた。

 どこやってたんだっけ。


 残り一問。

 これは簡単だ。

 今まで考えてきたことに比べたら。

 あぁ。ようやく出来た。

 …疲れた。甘いものが食べたい。

「どうした?エルロック」

 解くのに使ったノートと、テストの問題を持って、シャルロの机に置く。

 自分の席に戻って荷物を取ると、教室を出る。

 今、何時だっけ。

 あ。授業中だった気がする。

 じゃあ食堂は開いてないな…。

 部屋に帰ってもしょうがないし、医務室に行こう。


「あら。エルロック。どうしたの」

 ベッドの方を指さす。

「具合悪いの?」

 首を横に振る。

「ふふふ。素直な子ね。…利用者名簿、書いてね」

 渡された名簿に名前を書く。

「ドロップ食べる?」

 手を出すと、缶の中からドロップが二つ出る。

 二つとも口の中に入れて、ベッドに横になる。

 疲れた…。

 でも、面白かった。


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