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〇〇さん  作者: 相雪 化
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始まり始まり。




 6月6日(木)午後18時45分頃。

 私立神見高等学校 本校舎3階 2年3組の教室前にて......



 ◇



 黄昏時。

 廊下の窓から見る空は薄暗く幻想的な景色であった。

 空にはたくさんのカラスが夕焼けに向かって羽ばたく。

 私立神見高等学校の校門前では部活動を終えた生徒達が談笑を、待ち合わせを、帰宅を、恋愛を、各々の青春劇を送っていた。


 そんな中、校舎内の廊下を歩く者が1人。

 その者は2年3組の教室の前に立ち止まると、扉に手をかけ思いっ切り開ける。


 扉は「バァンッ!!」と大きな音を立てて鳴り響く。



 「うわッ!?」

 「び、ビックリした......」



 扉を開けた主は予想より遥かに大きな音が鳴り響いたことに驚く。


 お、思ったより音が出ちゃった......

 だ、大丈夫だよね?先生方に気づかれてないよね?

 扉は壊れてないかな......



 大丈夫だよね?大丈夫だね。

 うん、大丈夫そうだ。



 数日間も気を張って調査をし続けてると物凄く精神的に疲れちゃうね。身体は休めば直ぐに回復してくれるけど心の疲れは簡単に取れないや。


 私は2年3組の教室内に入ると辺りを見回す。

 教室内は暗く静かだ。机や椅子は綺麗に並べられ、黒板は所々にチョークの跡が残る、人1人の気配もない教室。


 教壇の上に立ち、教室内を隅々まで見渡すが先程と特に変わらない生徒がいない静かで薄暗い教室。



 「ここじゃ、ないのか.........」



 私はもう一度辺りを見渡して小さくポツリと言葉をこぼす。

 この学校の中でも特に2年生の教室付近は怪しいと踏んだんだけど.......


 どうやら、ハズレだったみたいだね。

 他の怪しいと踏んだ所は科学室と校舎裏の倉庫、旧校舎、弓道場と言った所かな?


 裏の倉庫以外はどこも行きにくくて面倒だし、調査はまた今度かな。


 それにしても、この気配はなんだ?

 “奴ら”がいるのは分かるが正確な位置がボヤかされてる。まるで、“アイツら”が何かに警戒しているような........

 だが、なぜ警戒する?私の存在はまだ知られていないはず.........


 よっぽど警戒心が強いのか?それとも、私の存在に気づいている?もしくは、私以外の存在を警戒しているか.........


 ま、どっちみち見つけて捕らえて問い詰めれば分かることだ。

 複数いるのは面倒だが、もし私に警戒して出て来てないのなら実力で私が勝っているということ!!

 さっさと、見つけて面倒な作業を終わらせるとしよう。



 私はそう考えて教室を出る。


 この時の私は軽く考えていた。

 物事の重大さを.........

 “奴ら”のことを.........

 この出来事は後に町を巻き込む騒動へと向かっていくのであった。




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