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第31話「東の山脈と古代の遺物」

前回のあらすじ


三日間の休息を終えたアキラたち。女子会と男子会でそれぞれの時間を楽しんだ後、セレスティアから新たな依頼が舞い込む。東の山脈に眠る古代遺物の調査――そこでアキラの「力が覚醒する」という謎の予言とともに。


----


「東の山脈……ですか?」


ギルドの応接室で、リーナがセレスティアの依頼書を見ながら首を傾げた。


俺たちは三日間の休息を終えて、今日からまた冒険者の仕事に戻ることにしていた。そこにセレスティアから新しい依頼が来たというわけだ。


「ええ。祖父の日記に、東の山脈の古代遺跡についての記述があったの」


セレスティアは優雅に紅茶を飲みながら説明する。相変わらず貴族のお嬢様って感じだ。


「前回の遺跡調査で手に入れた古代魔法の書を解読していたら、東の山脈にもう一つ重要な遺物が眠っているという記述を見つけたのよ」


「重要な遺物……ですか」


ガルドが腕を組んで考え込む。


「ああ。ただし、その遺物は『逆転者の力を覚醒させる鍵』だと書かれていた」


「えっ!?」


リーナとエリンが同時に声を上げた。


俺も驚いて身を乗り出す。


「マジで!? 俺の力が覚醒するってことですか!?」


「おそらくね。あなたはまだ逆転者としての力を完全には開花させていない。レベル0を超えてマイナスになった時、真の力が目覚めるはずだけど……その前に、力をコントロールする術を学ぶ必要があるわ」


「力をコントロール……」


確かに、俺は最近も木剣を何本も折ってるし、敵を倒す時も加減ができなくて一撃で倒しちゃう。


「その遺物は『制御の石板』と呼ばれているの。古代魔法文明が逆転者のために作った、力をコントロールするための道具よ」


「おお……!」


これは興味深い。


俺の力をコントロールできるようになれば、木剣を折らずに済むし、戦闘ももっと楽になるかもしれない。


「でも、東の山脈って……結構危険な場所ですよね?」


リーナが心配そうに言う。


「ええ。Cランク以上のモンスターが多数生息している場所よ。でも、あなたたちならきっと大丈夫」


セレスティアはニコリと微笑む。


「報酬は金貨50枚。どう?」


「金貨50枚!?」


リーナの目がキラリと光った。


「や、やります! 絶対やります!」


「おいおい、リーナ、お前……」


ガルドが呆れた声を出す。


「だ、だって金貨50枚ですよ!? これだけあれば、しばらく安心して暮らせます!」


「リーナさん、お金に弱いですね……」


エリンがクスクス笑う。


「う、うるさいですよ! 冒険者にとってお金は大事なんです!」


「まあまあ」


俺は笑いながら手を上げる。


「俺も面白そうだし、やってみたいです。力をコントロールできるようになれば、木剣も折らずに済みますし」


「そうね。それに、東の山脈には古代遺跡が点在しているわ。途中で面白い発見があるかもしれない」


「よし、決まりだな」


ガルドが頷く。


「いつ出発する?」


「明日の朝、どうかしら? 準備する時間も必要でしょう?」


「了解です!」


俺たちは依頼を受けることに決めた。


-----


その夜、俺たちは宿屋で準備をしていた。


「東の山脈は王都から徒歩で三日ほどかかる場所だ」


ガルドが地図を広げながら説明する。


「途中には小さな村が二つある。そこで補給しながら進むことになるだろう」


「三日……結構遠いですね」


エリンが不安そうに言う。


「大丈夫だ。俺たちがついてる」


ガルドが優しく微笑む。


「それに、アキラがいれば大抵のモンスターは問題ないだろう」


「ガルドさん、それはフラグですよ……」


リーナがジト目で睨む。


「前回もそうやって油断して、シャドウドラゴンが出てきたじゃないですか」


「あ、ああ……そうだったな」


ガルドが苦笑する。


「でも、今回は大丈夫だろう。東の山脈は調査も進んでるし、危険なモンスターの情報もある程度把握されてる」


「本当ですかね……」


リーナはまだ不安そうだ。


「大丈夫大丈夫!」


俺は明るく笑う。


「何が起きても、俺たちなら乗り越えられるよ!」


「アキラ、お前はいつも能天気だな……」


「それがアキラの良いところですよ」


エリンがクスクス笑う。


「よし、じゃあ明日に備えて早く寝るか」


ガルドが地図を畳む。


「明日は朝早く出発するぞ」


「了解です!」


俺たちはそれぞれの部屋に戻って、明日に備えることにした。


-----


翌朝、俺たちは王都の東門に集合していた。


「おはようございます!」


エリンが元気よく挨拶する。


「おう、エリン。よく眠れたか?」


「はい! バッチリです!」


「リーナは?」


「……眠いです」


リーナが目をこすりながら現れた。


「お前、昨日夜更かししただろ」


ガルドが呆れる。


「だ、だって……金貨50枚もらったら何に使おうかって考えてたら眠れなくなって……」


「お前、本当に金に弱いな……」


「う、うるさいですよ!」


リーナが顔を赤くする。


「まあまあ、そろそろ出発しようぜ」


俺は笑いながら言った。


「東の山脈まで三日。楽しい旅になりそうだな!」


「アキラ、お前は本当に能天気だな……」


ガルドが苦笑する。


こうして、俺たちの新しい冒険が始まった。


-----


東の山脈への道のりは、思ったよりも順調だった。


初日は特に何も起きず、夕方には最初の村に到着した。


「ここで一泊して、明日また出発だな」


ガルドが地図を確認しながら言う。


「この村には宿屋があるから、そこで休もう」


「了解です!」


俺たちは村の宿屋に入った。


小さな村だけど、宿屋は意外と綺麗で居心地が良さそうだ。


「いらっしゃい。旅の方ですか?」


宿屋の主人が笑顔で迎えてくれた。


「ええ、東の山脈に向かう途中なんです」


リーナが答える。


「東の山脈……ですか。最近、あの辺りでちょっと変なことが起きてるんですよ」


「変なこと?」


ガルドが眉をひそめる。


「ええ。山の麓で、時々不思議な光が見えるって話です。村人の中には、古代遺跡が活性化してるんじゃないかって言う人もいます」


「古代遺跡が活性化……」


俺は首を傾げる。


「それって、何か危険なことなんですか?」


「さあ……よく分かりませんが、用心に越したことはないでしょう」


主人は心配そうに言った。


「ありがとうございます。気をつけます」


ガルドが頭を下げる。


俺たちは部屋に荷物を置いて、村を少し歩いてみることにした。


「不思議な光、か……」


リーナが考え込む。


「古代遺跡が活性化してるって、どういうことなんでしょう?」


「もしかしたら、俺たちが探してる『制御の石板』と関係があるかもしれないな」


ガルドが言う。


「古代魔法文明の遺物だから、何か反応してるのかもしれない」


「なるほど……」


「でも、それって危険なんじゃ……」


エリンが不安そうに言う。


「大丈夫だよ、エリン」


俺は笑顔で答える。


「何が起きても、俺たちが守るから」


「……はい!」


エリンが元気よく頷いた。


-----


その夜、俺は宿屋の窓から外を眺めていた。


遠くに見える東の山脈が、月明かりに照らされて幻想的に見える。


「明日にはあそこに着くのか……」


俺は呟く。


「制御の石板……か。俺の力をコントロールできるようになるって、どういうことなんだろう」


最近、俺は戦闘中に力の制御ができなくて困っていた。


木剣を何本も折ったり、敵を一撃で倒しすぎたり。


もっと力を上手く使えるようになれば、戦闘ももっと楽しくなるかもしれない。


「レベルが下がれば下がるほど、俺は強くなってる……はず」


俺は自分のステータスを確認する。


**レベル: 872**

**HP: 872,000**

**MP: 872,000**

**攻撃力: 872,000**

**防御力: 872,000**

**魔力: 872,000**

**敏捷性: 872,000**


「まだレベル872か……レベル0まであと872レベルもある」


俺はため息をつく。


「レベル0を超えたら、何かが起きる気がするんだよな……」


そう呟いた時、遠くの山脈から一瞬、青白い光が見えた気がした。


「……あれ?」


俺は目を凝らす。


でも、もう光は消えていた。


「気のせいか……?」


俺は首を傾げながら、ベッドに戻った。


明日はいよいよ東の山脈だ。


どんな冒険が待ってるのか、楽しみだな。


-----


翌朝、俺たちは早朝に出発した。


「今日中に東の山脈の麓に着く予定だ」


ガルドが地図を確認しながら言う。


「そこから遺跡までは、徒歩で半日ほどかかる」


「結構歩きますね……」


リーナがため息をつく。


「エリンは大丈夫か?」


「はい! 頑張ります!」


エリンが元気よく答える。


「よし、じゃあ出発だ!」


俺たちは村を出て、東の山脈へ向かった。


道中、いくつかモンスターに遭遇したけど、大した敵じゃなかった。


ワイルドウルフが三匹襲ってきたけど、ガルドとエリンが協力して倒した。


「エリン、剣の使い方が上手くなったな」


ガルドが褒める。


「ありがとうございます! ガルドさんに教わった通りにやってみました!」


「よし、その調子だ」


リーナも魔法でサポートしながら、順調に進んでいく。


俺は……というと、相変わらず木剣を持って歩いてるだけだった。


「アキラ、お前は戦わなくていいのか?」


ガルドが聞く。


「いや、俺が戦うと木剣折れちゃうから……」


「ああ、そうだったな……」


ガルドが苦笑する。


「制御の石板を手に入れたら、その問題も解決するかもしれないな」


「そうだといいんですけどね」


リーナがため息をつく。


そして、夕方――


俺たちはついに東の山脈の麓に到着した。


「おお……!」


目の前には、巨大な山脈がそびえ立っていた。


岩肌がむき出しで、険しい山道が続いている。


「ここが東の山脈か……」


ガルドが感慨深げに呟く。


「思ったより険しいですね……」


リーナが不安そうに言う。


「遺跡はこの山道を登った先にあるはずだ」


ガルドが地図を確認する。


「今日はもう遅いから、ここで野営しよう。明日の朝、遺跡に向かう」


「了解です!」


俺たちはテントを張って、野営の準備を始めた。


-----


夜、焚き火を囲んで夕食を食べていると――


「……ねえ、あれ」


エリンが山の方を指差した。


「なんだ?」


俺たちが振り向くと、山の中腹あたりから青白い光が漏れているのが見えた。


「あれが……宿屋の主人が言ってた不思議な光か」


ガルドが真剣な表情で見つめる。


「古代遺跡が活性化してる……ってことですかね」


リーナが不安そうに言う。


「明日、あそこに行くんだよな……」


俺は光を見つめながら呟いた。


「何が起きるんだろうな」


「分からん……だが、用心するに越したことはない」


ガルドが腕を組む。


「明日は気を引き締めて行こう」


「了解です!」


俺たちは焚き火を囲みながら、明日への準備を続けた。


遠くで光る青白い光が、何か不吉な予感を漂わせていた。


-----


## 次回予告


東の山脈の遺跡に潜む古代の秘密。「制御の石板」を手に入れるため、アキラたちは遺跡の奥へと進む。だが、そこには予想外の試練が待ち受けていて――

次回、第32話「遺跡の試練と制御の力」


お楽しみに!


-----


## アキラの現在のステータス


**名前**: 桜井アキラ

**レベル**: 872

**HP**: 872,000

**MP**: 872,000

**攻撃力**: 872,000

**防御力**: 872,000

**魔力**: 872,000

**敏捷性**: 872,000

**スキル**: 全スキルLvMAX

**ギルドランク**: Cランク

**所持金**: 金貨82枚、銀貨20枚

**所持アイテム**: 謎の水晶(逆転者の証)、セレスティアの祖父の日記(写し)、通信石、木剣×50本

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