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問いかける

 それから。

 アミリアさんを連れ、俺たちは街へと帰ってきた。


 結局、あの盗賊たちはほとんどを捕縛、リーダーだけは毒物で自害したようだ。

 まぁ、やはりというか捕縛された彼らは特にめぼしい情報を持っていなかった。


「やっと、戻ってきた」


 長かった。と自分でも思っている。

 一日の密度が、最近はおかしいと思うんだが......


「そうですね。やっと、戻ってこれました」


 アミリアさんは息を吐いた。

 だが、その表情は良くはなかった。


 そこで、「アミリアさん、ちょっといいですか」と呼び出す。

 その呼び出しに対し、何を聞かれるのかある程度予想がついていたのか「......はい」といつもより声が小さく、低くアミリアさんの返事が来た。




「アミリアさん。単刀直入に聞きます。内通者は誰ですか」


 そう、さっきの洞窟には内通者がいなかった。

 神官服はもちろん、清潔感がない人ばかりだった。

 巨大な宗教の総本山が、清潔感を見ないはずがない。必ず弾かれるだろう。

 ならば、彼らが紛れていたというよりも、アミリアさんを移動させてから、また人ごみに紛れた、と言われたほうが納得だった。

 つまり、捕縛した人を除くその場にいた人のほぼ全員が容疑者。

 それを、俺がいちいち聞いていくことは現実的ではない。


 だが、連れていかれたアミリアさんは、それを知っているだろう。

 視界をふさがれた様子はなかった。それに、姿が消えたその時は騒がれず、外に出てから明らかとなったことから、この建物内では不思議な光景ではなく、彼女も警戒せず、同意したうえで移動したと言える。


「誰ですか」


 しかし、口が堅い。

 それほどに親しい間柄だったか、それとも地位が高かったか。


 俺は前者だと睨んでいるが、もはや直感だ。


 それは言えない、という様子だ。


「言わないんですね」


「......」


 その表情は言わなければならないという聖女としての使命感と、言いたくないというアミリアとしての感情がせめぎあっているようだった。

 好きな人に質問攻めをしているようで、浮気の現場のようでなかなか良い感情は浮かばない。


「なら、そこの質問はいったん置いておきましょう」


 だから、話を変えた。

 そこでアミリアさんの目が見開かれる。


 アミリアさんは、ずっと問い詰められると分かっていて、それでも話したくない、根性比べが始まると思っていたんだろう。

 けれど、ほかにも聞きたいことは残っていた。


「もう一つだけ、今聞いておきたいことがあります」


 そう、あと一つだけ。

 それだけ、とアミリアさんは表情を明るくした。

 だが、その質問は、これまでよりも残酷になると、俺は確信に近いものを抱いていた。


「どうして、アミリアさんが攫われたと思いますか?」


 その質問の、俺の疑問点をアミリアさんは気づいていないようで、先ほどとは打って変わって軽いトーンで話し始めた。


「都合がよかったのでは?」


「それだけだと、思いますか? 俺にはそうは思えない」


 そして、俺は胸に抱いた疑問を口にした。




「もう明るみに出てしまったんではないですか?」


「な、何を......」



 雲行きが、怪しくなったのを確かに感じたのだろう。



 ――――「神位生命蘇生儀式魔法『リザレクション』」


 やはりその言葉だけで、二人の間では伝わるのだった。

総合評価700ptありがとうございます。

もう何回分感謝の投稿数増加すれば良いのかわからなくなっているので、とりあえず明日は三話投稿します。

次回本日深夜投稿。気長にお待ちください。

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