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朝日さんの面倒ごと  作者: 日の太郎
第2章
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朝日さん盗撮事件ですよ!

 朝日は開放感に包まれていた。

 昨日で何とか草刈りが終わったのである。

 死にものぐるいで先生と一緒に夜の十時まで草刈りをした甲斐があった。

 とても疲れたがこれで悠々自適に漫画を読む事が出来る。

 本当に長かった。

 そんなこんなで無元が来るのを待つ。

 昨日は歓迎会で来なかったが今日は来るはずだ。

 漫画を読みながら無元をのんびり待っていると、


「朝日さん!新入部員ゲットしました!」


 無元がそんな事を言って飛び込んで来た。


「おお、無元!でかした!」


 そう言って無元の背後に立つ人物を見る。

 そこには立花が立っていた。


「新しくこの部活に入ってくれる。立花明日香さんです!」


 満面の笑みを浮かべて無元が言う。


「・・・無元、冗談か?」

「違いますよ!本当に入ってくれるんです」


 無元は身振り手振りで必死に伝えて来る。


「どうも、あなたがこの部の部長ね。私は立花明日香、よろしく。同じクラスだし知ってるか」

「俺は大空朝日。よろしく」


 一応、自己紹介をする。


「ほら、どうです!本当でしょ!」


 どうやら本当らしい。


「なあ、立花。いいのか?こんな部活に入部しても」

「いいわよ、無元へのお礼のつもりだし」

「そうか。無元お前何かしたのか?」


 気になって無元に聞いた。


「いろいろと・・・」


 どうやらあまり聞かれたくないらしい。

 ひとまず部員が増えるに越したことはないし、これで廃部の危機も避けられる。

 一件落着と言う所だろう。


「で、具体的にはこの部活なにをしてるの?」


 立花がソファーに座りながら聞く。


「いや、特にないけど」

「えっ」

「活動内容は特に無いよ。強いて言うなら漫画を読んだり、本読んだり、ゲームするくらいかな」

「ちょっと待って本当にやることない⁈」


 驚いているようだが、この感じがいつものミス研だ。

 特にやることはない。


「でも、朝日さん。草刈りがあるじゃないですか」


 無元が思い出したように言う。


「それなら昨日終わったよ。大変だったんだぞ」

「よくやりましたね」

「自分でも良くやったと思うよ」


 そんな会話をしていると


「この部活は雑用部か何かなの? もっとまともな活動内容は無いわけ?!」

「無いな」

「無いですね」


 立花がため息をつく。


「本当に名前を置くだけで良さそうね・・・」


 立花がそう呟いているとドアがガラガラと空いて寧々先生が入って来た。


「朝日くん、大変です!」

「そんなに急いでどうしたんですか?」


 また面倒ごとを持ち込んだらしい。


「大変なんです! 事件ですよ!」


 そう言いながら興奮した様子で机をバンと叩く。


「なんで寧々先生がここに?」


 立花が不思議そうに聞く。


「寧々先生はうちの部活の顧問なんですよ」

「そうだったんだ」


 立花が納得したように頷く。


「立花さん。こんな所で何してるんです?」


 ここで先生も立花に気づいた。


「私もこの部活に入部することにしたんです」

「そうなんですか!良かったですね!これで廃部にならずに済みます」


 先生が嬉しそうに立花と握手をする。

 しかし、直ぐさまハッと思い出したかのようにすると


「違うんです!確かに新入部員は嬉しいんですけど今はそれどころじゃ無いんです!」


 先生がバンとまた机を叩く。


「なにかあったんですか?」

「実は今、この学院で盗撮事件が起きてるんです!しかも盗撮した写真を学院の裏サイトで高値でうりさばいているんですよ!」

「へ〜え、で?」


 盗撮は由々しき事だがミス研とは関係ない。


「で?、じゃないです。ミス研で解決しますよ!」

「なんでミス研がそんな事しないといけないんですか!そう言うことは風紀委員に任せとけば大丈夫ですよ」

「実はですね。今、風紀委員会は風切くんの事後処理で忙しく手が離せないみたいなんですよ。だからこの部活が代わりに動くんです」

「うちは探偵部じゃないですよ」

「大丈夫ですよ朝日くん。ミス研なんて探偵部の親戚みたいなものです」

「そんな、めちゃくちゃな」


 先生の横暴に頭が痛くなる。


「なので朝日くん!捜査よろしくお願いしますね。 先生も捜査協力するから」


 そう言うと先生は部室から出て行ってしまった。


「本当、寧々先生は嵐のような人ですね」

「嵐のようなじゃなくて、あれは嵐だよ」


 今の依頼を断るのは恐らく無理だろう。

 断ったら泣かれる。

 そんな気がするのだ。


「朝日、あなた随分寧々先生に信頼されているのね」


 立花が唐突に行って来た。


「寧々先生のあんな姿、私初めて見た」

「あれは信頼じゃなくてこき使われているだけ」


 朝日は椅子にこの後どうするかなど考えながら項垂れる。


「で、朝日さんどうするんですか?」

「まあ、やるしかないだろ。立花はどうする?」


 一応、立花にも聞いた。

 別に断ってくれても良かったのだが、


「女として盗撮は許せないわね。私も協力するわ」


 どうやらやる気らしい。


「そうか」


 俺はそう言うとパソコンを取り出して開く。


「なにやってるんですか?朝日さん」

「とりあえず、裏サイトを調べてみようと思ってな」


 しばらくカチャカチャ触っていると東星裏掲示板と言うサイトに行き着いた。


「ずいぶん簡単に裏サイトに行く着くのね」

「そうですね。そこまで規制されてる感じもありませんし隠してる感じもありません。これだけ大々的に動いてたら風紀委員会が見逃さないと思うのですが?」

「確かに裏サイト自体は隠してなさそうだな。でも流石に盗撮写真を売り買いしてるページは隠してるっぽいぜ」


 裏サイトのどのページにも盗撮写真は販売されてなかった。

 しかし、根気よく探しているとあるページのタイトルの一文字がリンクとなっているのを見つけた。

 それを開くと女生徒の盗撮写真がずらりと出てきた。


「これは酷いですね」

「ああ」


 写真の中には下着姿のものもありひどいものでは裸が写った写真もあった。


「本当ね、これは酷いわ。裸が写ったのもあるじゃない!」


 立花が憤慨する。


「やっぱり、下着姿の写真や裸の写真は更衣室やシャワールームが多いですね」

「そうだな、ちょっと待て。この更衣室の窓、外の景色からして第2グラウンドじゃないか」

「ああ、そうですね。確かにこれは第2グラウンドです」


 行き先が決まった。

 第2グラウンドの女子更衣室だ。

 そんな風に思っていると、


「ねえ、あなた達。こんなこと言うのもあれだけどこれ見てて恥ずかしくないの」


 立花か少し顔を赤くして言った。


「俺は早くこの事件を解決して、まったりゆっくりしたいんだよ。正直、盗撮写真とか今はどうでもいい」

「僕も別に。なんか面白そうってだけで満足ですね」


 さらっとそう言い放つ。


「頼もしい限りね」


 呆れはように立花が言った。


「それじゃあ、朝日さん。更衣室に行きましょう」

「そうだな」


 3人は第2グラウンドの女子更衣室に向かうのであった。

誤字、脱字がありましたら申し訳有りません。

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