プロローグ
―――あぁまたか。
教室の左端には、様々な文字が書かれた机があった。文字と言っても好ましいものではなく、端的に言うといじめだ。
新1年として高校生活を始めたころは、みんなで仲良くやっていこうという雰囲気でとても楽しかった。何か特別なきっかけがあったわけでもない。今となっては誰からかなんて関係もない。ただ始まった。結局あの時と同じだ。どこに行こうと変わらない。
『―――自分やないだけマシ』
こんな弱い言葉を頼りに冬休みまでやってきた。あと3か月。それを耐えれば終わる。そう信じていた。
そんな暗い冬休みの終盤、僕は遅めの初詣として近所の神社に1人で向かった。あまり人気がなく、ひっそりとした神社で、僕のお気に入りの場所だ。
初詣を一通り終えると、ふと奥の木の間に人ひとりが通れそうな穴を見つけた。なぜか無性に気になってしまい、僕は周りに人がいないのを確認すると、穴へと入っていった。
少し長めの穴で、奥に抜けることができた。ちょっとした冒険みたいで楽しかったなと思い顔を上げると、全く知らない街だった。
「え、いや、な」
理解の追い付かない出来事に言葉を詰まらせていると、目の前を車が通った。と言ってもタイヤのない、いわゆる『空飛ぶ車』だった。とりあえずここは僕のいる場所じゃないと思い、勢いよく振り返った。しかしそこには木はあったものの、穴は無くなっていた。
「帰らんと、でもあんな世界なら帰れんくてもええ気が……」
ブツブツ言いながら歩いていると、さっきと同じ形の車がすごいスピードでつっこんできた。轢かれると思って思いっきり後ろにしりもちをついてしまった。
「ったー」
「大丈夫ですか」
「え、は、はい」
かなり痛かったので相手のことなんて見ずに答えると、目の前に華奢な手が現れた。
「ほ、本当に大丈夫なんで」
そう言いながら差し出された手を避けて自分で立ち上がる。そんな僕を心配そうに眉を歪めながら見つめる。とてもきれいな女の子だった。きれいな瞳に吸い込まれるように見入ってしまっていると。
「あの、なにか……」
「あ、ご、ごめんなさい。そ、そうだ。ここってなんてとこですか?」
「へ?えっと日本ですけど」
「いや、そうやなくて」
「あ、ごめんなさい。ひ、ひょうりょ、兵庫県です」
美少女は焦って噛みながらそう言った。
―――いや、じゃあなんで関西弁やないねん!
と、ツッコミたくなる気持ちを抑えて「ありがとうございます」と答えた。するとなぜそんなことを聞くのかと尋ねられた。簡単に今の僕の現状を説明すると、
「あ、あのもし行く場所がないのであれば家に来ませんか? こう見えても序列二級なんでしっかりとおもてなしはできますよ」
と、言ってきた。すると急に彼女が電話をしだした。聞こえる言葉から察するに、車でも呼んでいるのだろうか。
―――あれ、僕答えたっけ?
―――っていうか序列二級?
そんな疑問達と共にふと気づいた。
「え、ここ兵庫県なんですか」
「そうですけど」
「え、じゃあ今って何年なんですか」
「えっと、確か今年で2150年だったと思います」
まさかの100年後だった。
おはこんばんにちは!初めまして。初作品ではないんですけど、一度短編を作ったことがあるだけなのでほぼ初作品です!好評、酷評どちらも大歓迎なので、よければ感想を書いていってほしいです。皆さんの意見を参考にこの作品をもっと良いものに成長させていきたいと思います!拙いところも多々あると思いますが、これからも応援していただけると幸いです!




