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シャドウアクティビティ  作者: モナカ
プロローグ
10/17

異常事態

俺はシクシクと泣き止む服部をチラチラと見ながら床に尻をつけうずくまることしかできなかった。

一体俺は何をしたのだろう? 何でこんな事に巻き込まれなければならないのだろう

俺が何をしたと言うのだろう?

何を悪い事をした訳でもなくただ普通に日常を過ごしていたのに...

そう考えると中学の記憶が俺の頭をよぎる

「くそ! 何であの時の記憶がこんな時に思い出すんだよ! 忘れろよ!」

俺は座りながらも手を握り床を思いっきり殴る。 ジンジンとした痛みが手に走る

俺は、いつも何かスリルが足りない日常に嫌気がさしていた。漫画やアニメを見てこんな風に俺の日常をアグレッシブになったらいいなと思う自分がいた事を悔やんだ。

なんで普通の生活が嫌になったのだろう

今はそれすらも懐かしく感じる。

ジャブダルの言ったことは嘘か本当かわからないがこの手の込んだやり込み具合からおそらく本当だろう。

俺は顔をモニターに向けるとモニターのカウントダウンが71754秒になっていた。

4時間近く俺は何もできず顔を伏せていたのだろう。 その間服部はずっと苦痛の時間を耐えていたんだろう。

死刑囚は、死刑が執行されるいわば待たされる時間がとても辛いとどこかで聞いた事がある。 それは死刑になるほど自分が何か悪い事をしたからしょうがないと俺は思うんだが、俺と服部に関しては何も悪い事をしていない。

もういっそう早く楽にさせてあげるか?

いや! そんなことできる訳ない。

今まで普通に生きてきた俺はジャブダルの説明を受け素直に殺すことなんてできるわけがない。

気になるのが四宮が俺と同じ立場になりながら拘束されている、いわば無抵抗な人間を殺しゲームに参加したなどと俺にはとても信じる事が出来ない。 ジャブダルの嘘に今はかけるしかない。

そんな事を考えているうちにどんどんカウントダウンは0に近づいている。

「もう...早く殺して...」

「は!?」

服部がか細く俺にギリギリ聞こえるほど小さな声で俺に言う。

「もう...辛い..仙道に情が映るといけないからあまり話さなかったけどもうこの時間が辛いよ...」

「お前正気か?」

「できるなら一瞬で殺して」

どんどん会話を詰める服部に俺は困惑する

「私は外の世界で散々地獄を見てきたし、何人も殺してきた。 もうこんなゲーム嫌だ。 」

「おい!諦めるなよ。何か方法があるはずだ」

俺は立ち上がり部屋の中を見渡す。

「方法はもうない! 簡単なのは仙道が私を殺してこの部屋から出る。 これで終わり!」

服部は、キレながら俺の方を見ると涙を浮かべる。

「もう疲れた。 舌を思いっきり噛んで死にたいけど死ぬ確率は0に等しい。なら仙道がそのナイフを取り私の頭か、心臓を刺したほうが早いし痛くなくて済む。」

「クソ!」

俺は床にあったナイフを拾い上げる

「そう!それでいいんだよ! 早く殺して!」

服部は叫ぶ。

俺は服部に重くなっていた足で無理やり歩き近づく。

「おい! 本当にやるぞ!? いいんだな!?」

「できれば楽に殺して...」

俺は服部に近づきナイフを向ける。

ナイフは俺の手の震えを伝わって先が揺れている。

するとモニターの映像が切り替わり再びジャブダルが写り込んだ。

「仙道様ようやく決心がつきましたでしょうか? このジャブダルが確認をさせていただくべく再び参りました。」

「あぁ、決心がついたよ! 」

俺はジャブダルにそういうと、ナイフを床に思いっきり投げつけた。

ナイフは部屋に音を響き渡せながら床に転がった。

「放棄する! 俺も死ぬ!」

俺がそういう時服部は顔を上げて驚くように俺の方を見るのがわかった。

「何で!?」

「どうせこの状況は何をやっても変わることはない。 お前は楽に死にたい。 それはこいつが言ってた。 首の機械がタイムリミットが過ぎて爆発で死ぬ。 これなら楽に死ねるだろ」

「仙道様あなたも死んでしまうんですよ!?」

「俺は人殺しなんてしたくない!」

「人間なんて自分が助かるためならなんでもすると思っていましたがこれはこれで面白いものを見る事が出来ました。」

ジャブダルは笑いなら言う

「そんな事は、ないぞ! 俺は俺を貫くこれが俺の考えだ。」

服部の方をチラリと見る。

「しかも、今なら俺も人を殺さず爆発で楽に死ぬって言う。 おトクセット付きだ。」

俺は笑いながら言う。

これがジャブダルへの最後の抵抗だと俺は思っていた。

「よく言ったよ! 少年!」

ジャブダルや服部ではない声が俺の耳に入ってきた。 すると俺の目の前には渦状の何かが、空間に現れた。

「なんだこれ!?」

すると中から俺と同じ年!? いや年上?の、女が出てきた。

身長は俺よりかなり低く157センチくらいだろう。 黒髪ショートヘアー 彼女の体が渦状の何かからで終わると渦は消えた。

俺はポカーンと見ることしかできなかった。

さっきからいろいろ起き過ぎて訳が分からないがジャブダルの様子を見るとこれは異常事態なんだろう。 かなり焦っている

「いや〜ここも懐かしいねぇ〜」

周りをチラチラと見渡している

「なんで貴様がここにいるんだ?」

さっきまでの丁寧な口調から一気に下品な言葉に変わるジャブダル。

「ん〜仲間がピンチだから僕が助けに来たんだよ!」

よく見るとこいつ首のアクセサリーがない!

なんでだ?

「貴様調子に乗るのもいい加減..

「うるさいなぁ〜」

ジャブダルの言葉を遮るように言うとモニターに向けて手で銃のポーズを作りモニターに向けると

「バーン」

モニターはまるで拳銃で撃たれたかのように、デジタルに風穴をあけ金属が響き渡る音を部屋に響かせながら壊れていった。

「これで静かになったねぇ〜」

彼女がそういうと、服部の首のアクセサリーがビッピッピッと嫌な音を立てながら反応している。

「おいコレって...」

なんとなく察しのついた俺はつぶやく

「やれやれ..」

少しため息をつく様子を俺に見せると服部に近づきクビのアクセサリーに手をかける

すると音は止まり何事もなかったかのように静かになった。

「おい! 爆発は?もう終わったのか?」

「うん!安心して! 終わったよ」

そういうと、指パッチンをすると服部の拘束がガチャンと言う音を立てて外れた。

「は?」

服部は何も言わずに立ち上がりこちらの方を見る。

「ありがとうございます。中村さん」

「僕も無理させちゃってごめんね!

「おいおい! お前何やったんだよ?」

「ん〜あんまりお前って言われるの好きじゃないな〜 僕には中村かのこって言う名前があるのだよ」

「中村さっきから見てたのか?」

さっきの言葉を聞くなり俺は気になってしょうがなかったので一応聞いておく。

「うん! ずっと見てたよ」

中村は笑顔で答える。

「ならもう少し早く来てもらえれば」

「それじゃーだめだよ! これは仙道君を試すアレなんだからね!」

「試す?」

「そう! この服部は僕がワザとルール違反をさせてここに送り込ませ初心者の動きを見てたんだよ!」

「僕たちはいつも人手不足だから適切な仲間が欲しんだ。」

「仲間不満?」

「そう!このゲームには仲間ってもんが後々必要になるただ殺しあうのは、バカのやることさ!」

中村はニヤニヤとしている。

そんな中村を少し気味が悪く感じた。

敵になるか? 味方になるか? 今後俺に大きく影響してきそうだ。 まだ中村の能力は見た感じ分からない。 おそらく俺の能力とは違いとても強力な能力のようだ。

少し中村からは強者の余裕が見られる。

「さ! 仙道君! 僕は君のことを気に入ったよ!」

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