6:異世界の常識は難しい!
「スキル作っただけですけど?」
隣から見ててもそれしか無いでしょ。
「あのですね?それが信じられないから言ってるんですよ!」
うんうん。あなただよね僕をここまでチートにしたの。ってか神なのに転生させた人のスキル把握してないんかい。
「これで多分…〜全てを操る真の力〜【念力】」
「対象は自分にすればっと。」
お、浮けた。予想通り。自由に動かせるね。ん…少し酔いそう…慣れないとな。
「なんか理はかなってますけど…にわかには信じがたいといいますか…」
すっごい不思議そうな顔してる…
「いやだって実質『対象を自由に操作できる』なら自分を対象にしたら自分自身を操作することも可能なわけで。そうなると操作って重力関係ないので浮けるってことなんですよ。」
うん。我ながら説明が下手だな。コミュ力と語彙力なんて自宅警備員に求めてはだめなのだ。
「いやわかりますよ?わかるんですけどね?いやこうなんか裏技というか抜け道というかみたいな気がしまして…」
そんなこと無いと思うんだけどなあ。ま、そんなの関係なく作れちゃったから使いますけど。使わなかったらもったいないのでね。SDGsですよ(?)
ん?待てよ?
「〜スキル作成〜【サインチャージ】」
「また何か作る気ですか…?」
若干呆れられてるけど気にしないようにしよ。
『設定開始』
詠唱 〜数の暴力〜
名前 【マルチロック】
効果 対象に指定した数魔法陣を展開。その直後攻撃魔法を打つ際、展開させた全ての魔法陣から発動させる。また、詠唱は1度で全ての分の効力とするが、魔力は相応消費する。
『設定終了』
お、作れた。これなかなか便利なんじゃないか?でもやっぱ毎回口に出さないといけないのが気になるな。滑舌がね…?
「えげつないの作りましたね…これ要約すると魔力はその分使うけど1回の詠唱でまとめて魔法使えるってことですよね。発想力すごすぎません?」
「強いよね〜…なんで作れたのか不思議でたまらないんだよなあ。多分あんまり強すぎるとかバランスが取れてなかったら作れないんだよね」
「それでもそのスキル狂気以外のなんでもないですよ…?」
とまあこの辺にしてそろそろ待ち合わせの時間になりそうだったのでギルドに向かった。
とまあ到着してしばらくするとガルさんとアイルさんが来た。
「おはようございます。」
「おはようです。」
ガルさんが挨拶してくれたので返す。師匠との朝でも思ったけど挨拶なんてどのくらいぶりにしただろうか。真人間になったみたいでちょっと嬉しいな。
「それじゃあ私たちはここで待ってるのでとりあえずギルド登録だけしてきてください。」
「ありがとうございます。」
とまあ受付カウンターへ向かう。やっぱコミュ障だからセルフレジとかショッピングモールとかにある機械のインフォメーションとか助かってたんだなと改めて気づく。こっちの世界じゃないだろうし…うん。コミュ力はみんな大事だから身につけておこうね…星和からの約束だよ…
「ギルド登録ありがとうございます。それじゃあギルドについて説明しますね。」
「よろしくお願いします。」
受付嬢の人が優しくてよかった…てかこの人も顔面偏差値高すぎだろ。なんだここ。異世界かよ(異世界です)
「まず基本として、ギルドは冒険者の方々の仕事を管理する組織です。ギルドに登録している冒険者の方なら誰でも使用できます。」
「そしてこちらがギルドに登録している証明になるメダルです。」
ときれいなパステルっぽいピンク色がきめ細やかに光っているメダルを渡される。真ん中にはギルドのロゴのようなものも掘られている。後ろには小さく番号が書かれていた。元の世界でもよくあるID的なやつだろう。ちなみにちゃんと鉄とかで作られてそうだ。見た目に反してまあまあ重い。
「今お渡ししたのがピンク色の初期状態のメダルです。依頼をクリアしたり、実力が認められるとピンクから「黄緑」「白」「青」「オレンジ」「紫」「赤」「水色」と色が変わっていきます。水色のメダルを所持されてる方は今はいらっしゃいませんが。」
なるほど。階級制なのか。
「依頼はそちらの掲示板に貼られています。また、どのメダルでも全ての依頼を受けることは可能ですが、失敗が続くとペナルティなどもあるので慎重に選んでくださいね。」
…身の丈にあった依頼を選ばないといけないのか。案外大変かもな。
説明を一通り師匠と受けて、待っててくれたガルさん達と合流したのだが…
「えっと…何食べてるんですか?」
「なにってワインとお肉ですけど」
…まだ午前10時くらいだよ?まじかよ。異世界怖すぎるだろ。
その時師匠が耳打ちしてくる。
「この世界には未成年飲酒なんて概念はないんです。ということで星和君も、もし進められたらお酒飲むのが普通なんですよ?」
「これだから異世界はさー…」
覚える常識が多すぎるな…大丈夫かな。




