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少年イクスはギフテッドにつき  作者: 天時(あまつしぐ)
別世界という名の異世界
7/11

役立たずの説明会ー⑴

ほぼほぼ説明回みたいなものです。

でもやっぱりほぼ2000文字ですよー。


「じゃあ、始めようか。

 

 ……なんてかっこつけて言ってみたのは良いものの、いったい何から始めればいいんだろう?」

「あれ?かっこつけてたの?」

「うん、少し。」


 ……そこは聞かなくていいとこなんだけどなぁ……。

と心の中でミオにツッコミを入れつつ、考える。


「……やっぱ魔力からじゃねえ?」

「確かラヘル、だっけ。

 ……まって。なんか書いてある。」


 あかがね色の本の表紙を一枚捲ったところに、手書き文字で説明書きのようなものがあった。




 ────この本は、知りたい内容を唱えながら表紙を二回叩き、真中(まなか)あたりのページを無作為に開くことでその内容が閲覧できる。

なお、該当する情報が存在しない場合白紙で表示される────




「……こういうことかな?」


 僕は一度本を閉じ、あかがね色の表紙を二回叩きながら


「ラヘル」


 と唱えた。

そして真ん中らへんを適当に開くと、そこには“魔力(ラヘル)”と大きな文字で書かれた見出しと、それの説明らしき小さな文字──もちろん日本語だが小さすぎて読みにくい──がびっしりと並んでいた。


「……ほんとに、異世界なんだな。」


 ……カイトが、僕が頭の中で思った事と同じ事を言った。

ほんとにそうだ。

完全に現代科学じゃありえないことばかりで。

もう絶対に言い逃れできないくらいには、現実とかけ離れてることを見せつけられてしまった。

もうこれくらいにして欲しいものだけど、きっとこれ以上に見たことないものが沢山あるんだろうな。


 ……取り敢えず、読み上げてみる。


魔力(ラヘル)

身体を巡る、力の源である。生きとし生けるもの全てに宿り、その命の糧となる。

魔力自体はただの力の塊であり、それに命令(魔法式の章を参照)を組み込むことで、魔法となる。

魔法には数多(あまた)の種類が存在するが(魔法の章を参照)、魔力を変化させ魔法にすることは多少困難なため、訓練した者、あるいは先天的な才能を持った者にしか扱えない。

魔力は身体を生かすエネルギーともなっているため、消費しすぎると死に至る危険性がある。

……だってさ。」


 これで読み終えたはずだ。


「……じゃあ、体に魔力が通っても、魔法を使えない可能性もあるわけだよね……?」

「……あぁ。そう読み取れる。」


 ミオの質問に、カイトが答えた。

ふたりはこの説明を分析しようとしているけど、どうしたのだろうか、ライトはただ見ているだけで何も言わない。


「……とにかく、ほかの『参照』ってあったキーワードを確認してみるべきかも。」


 僕は提案することにした。

今回あったキーワードは“魔法式”と“魔法”。ってことは、順番的に魔法式かな。

僕の提案にライトもミオもカイトも無言で頷き、ゴーサインを出してくれた。

 本を再び閉じて、あかがね色の表紙を二回とんとん、と叩きながら唱える。


「魔法式」


 そうしてもう一度本を真ん中あたりで適当に開いた。

今度出てきた文字は、予想どうり「魔法式」。

……今度も僕が読み上げるのか。


「魔法式。

魔力(魔力の章を参照)を魔法に変換する際に用いるもの。

これは自ら生み出す、もしくは先人の遺したものを使うことができ、魔力を操ることができる者ならだいたいが使える。

種類は多く、日々賢人たちにより新しいものが生み出されている。

稀に魔法式を理解せずとも魔法を使える者が存在するが、ほとんどの場合はその魔法式を読解し、呪文によって発動しなければならない。

魔法式は、一般人が使えるように書籍化し販売されているものから、破壊的な効果をもたらすために厳重保存されているものもある。

……これくらいでいいかな?」


 ……長い。長すぎだ。

これに関しては専門的なものが多すぎて、読み飛ばしても恐らく何ら変わりない。

反応からしてカイトも賛同してくれているようだし、ここら辺で切っておこう。


「……これは今重要なものじゃないな。

……次、“魔法”。」


 今度は僕じゃなく、カイトが本の表紙を叩いて言った。

開かれたページの上に大きな文字で書いてあるのは、やはり「魔法」だ。


「魔法。」


 今度はカイトが読み上げ始める。


「体内を巡る魔力を魔法式によって変換したもの。

微弱なものから強力なものまで沢山あるが、その威力は魔法式による魔力効率と術者本人の魔力の総量によって大きく変動する。

また自分の魔力総量を考えずに魔法を使うと、魔力欠乏により死に至る危険性があるため、無茶な使用はすべきではない(魔力の章を参照)。

またこれは訓練により習得することができるので、訓練料を払えない貧困層は魔法を使えない者が多い。」


 ここで、カイトが一息ついて読むのを止めた。


「……これは、今の俺たちにも使えない可能性が高いな。

だとすると、ここももう読む必要は無いか。」


 ……確かに。

訓練がなきゃ習得できないのなら、僕たちが使える可能性はほぼゼロに近い。

この章の説目は今後必要になることはあっても、“今”の時点では急を要することは無いだろう。


「なら、今度は金銭価値かな。」


 僕は言って、ページを閉じた。

支離滅裂すぎて自分でも何が何だか……。

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