役立たずの説明会ー⑵
も、少しは役に立った。
少し間が開きましたね。
今回も半分は説明回ですが、実はこれ説明無駄なんだよなぁ……。
「金銭価値?なんで?」
……ここで、ライトに聞かれるとは思ってなかった。
「いやだって、価値とかは知っておかなきゃ買い物ができない。」
「なるほど。」
──それは分かって欲しかった……!
だって食料とか干し肉だけで持つ気がしないし。
絶対この先買い物は必要不可欠な事項だ。
「じゃあいくよ、えーっと……。」
……なんて言ったら金銭価値の事を調べられるんだろう……。
「ふつーに“通貨”で良いんじゃないか?」
カイトが僕の言わんとしてることを理解して、助け舟を出してくれた。
「そっか。通貨。」
やはり同じように手段を踏んで、あかがね色の本を開く。
そこに印刷されていた言葉は、“グレシャム”。
「グレシャム通貨……」
もちろん聞いたことの無い単語だ。
まあだからこそ重要なんだろうし、今回ばかりはこの役立たずの説明会も少しは役にたちそうだ。
「グレシャム通貨。
オートルモンドで流通する貨幣。
グレシャム銅貨、グレシャム銀貨、グレシャム金貨が存在し、それぞれ価値が違う。
グレシャム銅貨二十枚でグレシャム銀貨一枚、グレシャム銀貨十五枚でグレシャム金貨一枚。
また、一グレシャム銅貨は百セルであり、一セルは百パーセルである。
地域によって多少レートに差はあるが、グレシャム通貨は全国共通である。
……つまり、結構面倒だね。」
こんなの文化が違うにも程がある……!
これじゃあ食生活を支えるのもやっとだ。
「……なぁ、今のをまとめてメモってみたけど。」
そう言ったのはカイトだった。それってつまり……
「今の一瞬で、このややこしいのをまとめたの?
ってかここに紙とかペンってあったんだ。」
なんか少し主旨とズレてしまっている気もしたけど、とにかく気になったものを僕は訊ねた。
「あぁ、うん。
まとめてみたよ。
紙とかはその辺に置いてあった。
多分勝手に使っていいだろ。」
そう言ってカイトがみんなの真ん中に出したのは、確かにさっきのグレシャム云々について簡潔にまとめられた紙。
──グレシャム通貨──
金貨、銀貨、銅貨、セル、パーセル。
一グレシャム金貨=十五グレシャム銀貨
一グレシャム銀貨=二十グレシャム銅貨
一グレシャム銅貨=百セル
一セル=百パーセル
──かなり分かりやすい。
……というより、理解しやすいといった感じか。
どちらにしろ、カイトのおかげで効率よく覚えられそうだ。
「流石カイト。ありがとう。」
「お役に立てて何より。」
うわぁお。
カイトがニカッて笑ったよ……。
こんな笑い方もする人なんだね……。
──そういえば確かに、あの三人の中ではカイトが一番キャラが掴みにくいのか……。
だとするとやっぱり、新しい顔を知れて嬉しいなって思う。
……なんか“仲良くなれた”って気がするから。
……あ。
「そういえば、ハンスヴルストがくれた荷物の中に、銅貨が入ってる巾着があったよね……?」
僕は誰とも知れずひとりでにそう呟くと、その袋を一つとった。
全部で四つある袋の大きさは、それぞれ同じくらい。
僕の言葉を聞いてか聞かずか、カイト、ライト、ミオも一つづつ小袋を手に取った。
「これが通貨か……。
書いてある模様も本に載っているやつと同じだし、これがグレシャム貨幣だと考えて良さそうだな。」
いつの間にやら中身を出して手に取っているカイトが言った。
表に鎌、裏に竜が描かれている──まあどっちが表か裏かなんて分かんないんだけど──、紋様の細かい貨幣。
何故だか分からないけど、どうしようもないほどに魅入られる。
僕はそれに、不可解な既視感と恍惚とした魅惑を感じていた。
煌めく文様はさながら宝玉のようだ。
──おかしいよな。こんな模様ひとつに。
まるでそれは、“蠱惑”。
そんな言葉が、脳裏をかすめた。
……刹那、突然景色が変わり、目の前が赤くちらついた。
それは一面を炎に包まれた、それ以外には何も見えない場所。
黄金の竜と漆黒の鎌を持った男が対峙し、互いの命を奪わんとする闘い。
男の鎌をその竜の硬い鱗が弾き、逆に竜の爪を男が鎌を反転させていなす。
竜のさんざめくブレスはその鎌に切り裂かれ、追撃の刃が雨の如く降り注ぐ。
竜も負けじと雄叫びを上げ、その隆々な尾で男を地面に叩きつける。
互いの目が合ったとき、竜の瞳に宿っていたのは炎。
そして男の瞳に滲んで見えたのは、飲み込まれそうなほど深い哀しみ………………
「──!──ス!
イクス!大丈夫か? 」
僕の名を呼ぶ声で、はっと我に返った。
「だ、大丈夫。ごめん。」
「びっくりしたよ!
急に動かなくなっちゃうんだもん!」
そう言ってミオに叫ばれてしまったけど、あの映像はなんだったのだろう。
全く知らない景色だったし、そもそも竜なんて記憶にあるはずもない。
……ただ、あの黄金の竜はグレシャム貨幣に描かれている竜とそっくりだったし、竜と対峙していた男が持っていた鎌も、やはりグレシャム貨幣に描かれているものだったと思う。
周りの反応からして恐らくそれを見たのも僕だけのようだし、わざわざ言う必要も無いか。
「ちょっとぼーっとしちゃって……。」
「なんかあったのか?」
「ううん。なんでもない。
それよりさ、次は武器かな?」
俺「早く■■殺したい!早く〇〇と◆◆を巡り合わせたい!■■は死ぬ予定だけど殺したくない!登場させた後すぐ死んじゃうけどさぁ!▷▷の秘密とかも書きたいし!〇〇の師匠は××だもん!〇〇とっとと✧✧と出会って盗賊になっちゃえ!でもそこまで進まねぇんだよ!」
イクス「それネタバレ。やめて」
◆◆「俺の第一印象やばいよな。まじで厨二病。」
イクス「それはごめんて」
✧✧「お前仲間多くない?」
■■「大丈夫、ただじゃ死なないから。」




