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少年イクスはギフテッドにつき  作者: 天時(あまつしぐ)
別世界という名の異世界
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10/11

新世界の輝きー⑴

二日連続投稿。

このペースでオートルモンド の方も進められるといいのだけれど……

ひかり。一面の光。

まばゆく輝く、唐突の閃光。

眩しすぎて、思わず目を細め、腕を顔の前に翳した。

元からそれほどまでに眩しかったというのに、その閃光は一瞬さらに強く輝いたかと思うと、唐突に晴れた。


「わぁ……!」


次の瞬間広がったのは緑。一面を埋め尽くす鬱蒼とした緑色。

おもわず、それ以外の色が無いかのように錯覚した。


「ここ、森の中……?」


「みたいだねえ。」


独り言のつもりだったけど、思いがけず返事があった。

ミオだ。


「良かった、みんな一緒だな。」


声がした方を振り向けば、カイトが安心したように呟いていた。


「それはどういう?」


「いやな、ゲームとかだとワープの直後にバラバラな場所から始まるのもざらじゃないんだ。

カイトにそんな可能性を話したから、心配してたんだろ。」


ほらイクス、少し遅かっただろ?とライトは続ける。

話によるとどうやら僕は、かなり来るのが遅かったらしいのだ。

その間にそのことを、カイトに伝えていたのだと、ライトから聞いた。


「確かに少し遅れはしたけど、すぐに後を追ったはずなんだけどな……。」


そんな心配する時間を与えてしまうほど、グズグズはしていなかった。


「でも確かに、十分程間があったよな?」


「そうだよ〜。」


ミオさえも、そう言う。

確かに、少しばかり遅れはしたさ。

でもそんな十分なんて……。


「もしかして……」


「タイムラグ、か……?」


僕の言いかけた言葉をカイトが引き継いだ。

時間軸が、どこか異常なのだ。


「ありえない話じゃない。

なんせこんな自体だからな。

何が起こっていたっておかしくはないんだ。

あぁ、おかしくはない。」


カイトは肯定してくれるが、最後の方は半ば自分に言い聞かせているような感じがした。

改めて混乱しているのだろうか。

……もう、意味がわからないのは当たり前になっているんだ。

焦りすぎたって、キリがない。

でもむしろ、それが分かってしまっているからこそ、混乱せざるを得ない気持ちがあった。

混乱することで逆に、心の平穏を保っているような感覚。

カイトたちと同室になって良かったということが、改めて身に沁みるんだ。

一人で居たのでは恐らく、気をおかしくしてしまっていただろうから。



「……っていうか、十分も待っていてくれていたんだ?」


僕としては、そちらの方が気になるところだった。

こんなところで十分も、僕はじっとしていられる自信がない。

そして何より、普通なら探しに出かけてしまうだろうから。


「俺とライトがここについたタイミングの時点で、既に少しタイムラグがあったんだ。

腰でも抜かしてこんなに遅れたのか?って揶揄われて、気づくことができた。

だいたい三十秒から一分ほど、遅れてきたらしいな。

ミオは俺のすぐ後にきたが。」


カイトもミオも、すぐにライトの後を追っていた。

三十秒とかとんでもない。

僕だってそんなに長くそこにはいなかった。

もたもたしてたのは、せいぜい十秒ぐらい……。


「まぁだから、十分待ってこなかったら探そうってことにしていたんだ。」


カイトの話は、まだ続いていた。


「それで十分経って、少しばらけて探し始めたところで、ミオがイクスを見つけた。

ミオが俺たちを呼んだと思うんだが、気付かなかったのか?」


……もしかして、あの光から緑に変わった時のだろうか。

もしもそうだとしたら、あの時は緑に見惚れていて気付くことができなかったと思う。


「うん。気付かなかった。呆然としてたのかも。」


一応そう答えておく。

呆然としていたのは本当だしね。

ただ、緑に見惚れていたって言うのはなんか恥ずかしいから言わない。


「ともあれ全員揃った事だしな。

そろそろ、どこかしらの方角へ向けて進み出すべきじゃないか?」


カイトは言った。

……確かに、そうするべきなのだ。


「だけど、“どこかしら”って言ったっていったいどこへ?」


地図もない、方位磁針もない。

そしてここは周りの景色が全く同じに見える森の中。

そんな状況で、一体どうやって進行方向を決めると言うのだろう。


「そこで、このアイテムの登場なんだな。」


「へ?」


自慢げに言うライトに、僕は首を傾げた。

なにやらガサゴソと鞄を漁っているけど、一体何を取り出すつもりなんだろうか。


「そうこれ!」


発見した探し物をじゃじゃーんと掲げ、他の人たちの視線が一斉にそこに集まる。


「地図……?」


そう、ライトが掲げていたのは地図。

シチュエーションからして、オートルモンドの地図だと思うけど。


「これもハンスヴルスト(あのピエロ野郎)が用意した物の中にあったんだ。

いけ好かねーけど使っといたほうがお得だろ?」


「なるほどね。」


男三人はほくそ笑んだ。

若干一名、ミオだけはよく分かっていなかったようだけど、ファンタジー小説を読みあさっていた僕からすれば、知らない場所の地図なんて海賊にとっての宝の地図に等しい。

つまりライトが手に持っているこれは、僕たちにとってとても大事な物なのだ。

この作品のリメイクを描き始めています!

L’autre Monde〈オートルモンド 〉

https://ncode.syosetu.com/n7421fv/


です!

是非読んでみてください!


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