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銀河帝国の悪役令嬢、追放先で開拓する〜イケメンを集めたら逆ハーレムが被害者の会になりましたわ〜  作者: 一場令衣
第三章 辺境惑星、大繁盛ですわ!

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24 どーしてですのー!?

 帰ってきたはずだった。


 自分の家の船に。


「……こんなに大きかったかしら?」


 惑星ノイエルデの軌道上。

 《ヴァルテンベルク》は、ちゃんとそこにある。


 ただし、その横にも上にも奥にも、見慣れない構造物が続いていた。


 接続通路。巨大な港。ずらりと並ぶ船。


 アクセル・ヴォルフ率いるヴォルフ商会の宇宙基地と一体化した結果、もはやどこまでが自分の船なのか、ぱっと見では分からない。


「あちらは?」

「接続区画でございます」

「その隣は?」

「商会の区画でございます」

「では、その奥は?」

「そちらから再び本艦です」

「難しいですわね!」


 艦内へ入っても、懐かしい我が家という雰囲気ではなかった。


 人。荷物。運搬車。


 作業員が行き交い、商人たちが端末を突き合わせている。


「ここ、軍艦でしたわよね?」

「はい」

「ずいぶん商売繁盛しておりますわね……」


 地上で仕事をしている間に、宇宙のほうまで育っていた。


「お帰りなさいませ、お嬢様」


 副艦長シュミットが、情報将校らとともに出迎えた。


「留守中、ご苦労さまでしたわ」

「早速ですが、中央から通達が届いております」

「帰宅の余韻がありませんわね」


 差し出された端末には、急増する移民の管理、受け入れ態勢との調整、ノイエルデへの過剰流入の抑制について記されていた。


 そして、主導者の名を見た瞬間、エレオノーラの眉が寄る。


「絶対、妨害ですわ」


 皇太子エアハルト。


 とはいえ、移民が増えすぎているのも事実だった。


「受け入れ能力に応じた審査の見直しは、必要かと存じます」


 セバスティアンの正論に、エレオノーラは口を尖らせる。


「そこが腹立たしいんですの。ちゃんと正論の服を着ておりますわ」

「では、基準に従って進めてよろしいですね」

「ええ」


 端末を返し、窓の外を見る。


「それで、少しは空きましたの?」


 船がいた。


 その奥にも船がいた。


 さらに奥にも、きっちり船がいた。


「空いておりませんわね」

「はい」


 移民船に企業船。大型船の間を、小型の商品販売船まで行き交っている。別の場所では燃料販売船が横づけされ、補給を始めていた。


「待っている間に、お買い物までできますの?」

「そのようです」

「便利になりましたわねえ……」


 感心しかけて、エレオノーラは扇を握り直した。


「渋滞が快適になっておりますわ!」


 列を相手に商売をする船まで増えている。もはや順番待ちというより、ひとつの街だった。


 その中に、緋色の船がちらほら見える。


 船体の縁には提灯のような丸い装飾。側面には大きな文字がひとつ。


(福……?)


 上下が逆さまだった。


 縁起のよさそうな船も来たものだ。


 エレオノーラが視線を戻すと、シュミットが告げた。


「厳格化された移民審査を、本日から適用いたします。ご覧になりますか?」


 エレオノーラの顔がぱっと明るくなる。


「ええ! 久々のガチャですわね!」

「移民審査の面談でございます、お嬢様」

「ガチャはストレス発散によろしくってよ」


 島の不法占拠。未知の知的種族。大型竜種。開拓行政。縁談。執政官不足。


 頭の中に積み上がった書類を思えば、そろそろ金色のきらめきを浴びてもよいはずだ。できれば美形つきで。


「本日は面談でございますので、腕を振るう必要はございません」

「気持ちの問題ですわ、セバスティアン」


 エレオノーラは扇をぱちんと閉じ、歩き出した。


「会場はどちら?」

「反対側でございます」


 意気揚々と向きを変えた。



 ─────



 案内されたのは、大会議室だった。


 壁一面のモニター。その下には端末を備えた机が並び、担当者たちが申請書や審査結果を次々と確認している。


 エレオノーラは目を輝かせた。


「まあ……!」


 大きい。


 ガチャの筐体が、大きくなっている。


「事前審査を終えた面談対象者の情報を、こちらで確認できます」


「よろしくってよ」


 人が増え、船が増え、基地が増えた。


 当然、ガチャも大きくなる。


 中央の席に腰を下ろすと、画面が切り替わった。


「まずは初手十連ですわ」

「十人ですね」

「ええ!」


 訂正も手慣れたものだった。


 最初の申請者が映る。


 チャリン。


 白。


「ようこそ。お待たせいたしましたわね」


 書類確認。移住希望の確認。記録。次。


 チャリン、チャリン、チャリン、チャリン。

 白、白、白、緑。全員移住希望。


 なんだか全員、黒髪で玉京(ユージン)風の顔立ちだった気がする。

 前世でいう東洋系というやつだ。


「皆様をお迎えできて光栄ですわ」


 チャリン、チャリン、チャリン、チャリン。

 白、青、緑、白。


 やはり、全員移住希望。

 なんだか全員、黒髪で……


「次で十人目です」


 シュミットの声に、エレオノーラは顔を上げた。


 最後の一枠。


 まだある。


 十連とは、最後まで分からないものだ。


「どうぞ!」


 画面が切り替わる。


 シャキィィーーン!!


 (来ましたわーー!)


 金。


 青年の輪郭を縁取る光が、画面いっぱいにきらめいた。


 SSR。


 金である。


 初手十連とは気前がいい。


 エレオノーラは口を開いた。


「…………」


 止まった。


 金色の枠の中には、一人の青年がいる。


 玉京風の装い。すっと細められたキツネ目。整った顔には、面談を受ける緊張など欠片もない。長い濃紺の髪に橙色の瞳。


 むしろ、こちらが来るのを待っていたような顔だった。


 青年はカメラ越しにエレオノーラを見つめ、軽く片手を上げる。


「や」


「…………」


 ホリスタ。


 金。


 美形。


 知っている顔。


 目を閉じる。


 開ける。


 いる。


「ど、どうして……」


「お嬢様?」


 シュミットが声をかけ、セバスティアンも画面へ目を向けた。


 エレオノーラの頭の中で、ばらばらだった情報がつながっていく。


 SSR。


 玉京星朝。


 洛(ルオ・)宵(シャオ)。


 第六王子。


 移民面談。


 移民。


 王子。


(王子?)


 エレオノーラは勢いよく立ち上がり、モニターを指さした。


「どうして、玉京王族が面談にいらっしゃるんですのーーーー!?」




 第三章・完。



 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 【アップデートのお知らせ】

 勢力図が更新されました

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 いつも『銀河聖国の星乙女 ―Holy Star Maiden―』をご利用いただき、

 誠にありがとうございます。

 このたび、勢力図の表示を更新いたしました。


 ※レアリティ表示は原作ゲーム上の評価であり、

 人間の価値を示すものではありません(運営)


 ■エレオノーラ陣営

 所属:ノイエルデ

 立場:悪役令嬢


【UR】

 ディートリヒ

【SSR】

 セバスティアン、アクセル、ネーベル

【拠点・軍事戦力】

 《ヴァルテンベルク》(都市機能あり)

 ヴァルテンベルク艦隊(随伴艦・空騎士部隊含む)

 ヴォルフ宇宙基地(戦力再編中)

 惑星ノイエルデ

【SR・R/拠点・産業機能】

 会計、農業、灌漑、魔導炉開発、艦隊運用

【N・HN】

 開拓、行政、技術、物流、建設、その他多数


 ■アンナ陣営

 所属:星乙女

 立場:主人公


【SSR】

 エアハルト、アルブレヒト、ルーカス、

 コンラート、マクシミリアン、

 ロジャー、クラウス

【SR以下/拠点機能】

 宇宙船/小型飛行艇

 BGM変更

 宿舎

 マイルーム

 お料理・レシピ帳

 写真撮影


 …… And More!!


 ※ノイエルデの人口が増えすぎて集計中



 明日から4章始まりますよろしくお願いします。

 最後まで読んでくださりありがとうございます。


「皆さま、ご照覧あれ! 画面の下にある【☆☆☆☆☆】評価(※星のエネルギー)と【ブックマーク】は、我が惑星を開拓するための貴重なエネルギー資源ですわ!」


「……ええ、維持費もガチャ代もシャレになりませんので、何卒ポチッとよろしくてよ!」


 お嬢様への応援、皆さまからのご感想を感想欄にてお待ちしておりますわー!

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