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2-7.クリストファールート「イーサン殿下とダンス」

ついに学園を卒業し、私の旅立ちを祝ってダルヴァール家でパーティーが開かれた。

結局最後まで学園のテストは私が学年一位、イーサン殿下が学年二位だった。


明後日はエンドラ王国へ出発する。

私とクリス様の結婚をセルシア王国をあげてお祝いするために、パレードを開いてくれる事になっている。

王城で謁見後、私たち家族、嫁いだマーガレット王女を除いた国王一家、クリス様を交えて昼食をとってから、パレードで見送られながらの出発。

住みなれた邸に来る事は、滅多に無いだろう。


友人にも、家族にも、今までのように会えなくなる。

あと4ヶ月でクリス様と結婚。


クリス様は春休みになり、セルシア王国に来てくれている。


パーティーには友人が全員集まり、私の旅立ちを祝ってくれた。


もちろんファーストダンスはクリス様と私。


「これからはずっとセルヴィと一緒にいられるだなんて夢のようだ。」

「私もです、クリス様。とっても幸せですわ。」

「僕もとても幸せだ。」


美しすぎる2人の完璧なダンスに皆が見惚れていた。


ファーストダンスが終わると、イーサン殿下が跪き私の手を取り手の甲にキスをして

「どうか私と一曲踊っていただけますか?」

と言い、辺りは黄色い歓声に包まれた。


「セルヴィア嬢がエンドラ王国へ言ってしまうだなんて…なんだか今でも信じられない気分です。」

「私もですわ。イーサン殿下。…本当に最後なのですね。」

「次にご一緒にダンスができるのは、セルヴィア嬢の結婚式ですね、…今のダンスの間だけでもセルヴィと呼ぶ事を許していただけますか?」

「もちろんですわ。」

「今だけだから、今だけは僕の事だけを見ていて。」

「ええ、もちろんです。」

「僕は9年間ずっと、君を君だけを愛してる。」

なんて切ない告白なのだろう。

「叶わない恋だと分かっていても、自分の気持ちを抑える事ができなかった。」


私はじっとイーサン殿下を見つめながら

「私も今だけ、お許し下さい。私もイーサン殿下に恋をしておりましたわ。自覚したのは去年の夏でしたが、多分私はもっと前からイーサン殿下とリチャード王太子殿下に恋をしていました。」

「あと一年で結婚だと思った時に、喜びよりもイーサン殿下とリチャード王太子殿下に会えない寂しさが大きい事に気づいたのです。そして、私は自分の気持ちに嘘をつき、隠そうとしました。」


私が初めてイーサン殿下に告白したので、イーサン殿下は驚きながら、私を見つめている。

「私も許されないと分かっているのに自分の気持ちを抑える事が出来ないくらいに、あなたを好きでした。」

「ありがとう、すごく嬉しい。」

イーサン殿下の笑顔すらも切なく感じてしまう。


「イーサン殿下からのキスも、本当はあの時、全てを投げ出してこのまま流されたいとすら思いました。今も、このまま時が止まればいいのにと思ってしまっているのです。」

イーサン殿下は

「セルヴィ、僕に最後のチャンスを。。エンドラ王国へ行かないでくれ。君を手に入れられるなら、僕は何でもする。愛してるんだ。」

エンドラ王国へ行きたくなくなってしまう。。


それでも私は

「私はイーサン殿下とリチャード王太子殿下に恋をしました。エンドラ王国へ行きたく無いと願ってしまう程に。でも、私が愛しているのはクリストファー王太子殿下です。クリス様以外の気持ちには応えられません。」

「…ありがとう、キッパリ振ってくれて。」

「もうダンスの時間が終わってしまうのですね。。せめて、最後は笑顔でお別れしたいですわ。」

「僕は自分の想いを君に伝えられて、君の思いも僕に伝えてくれたから、僕も前を向いて歩けるように頑張るよ。」


「9年間ずっと側にいてくれて、私を想い続けてくれて、大切にして、守ってくださり、ありがとうございました。」

「セルヴィア嬢も9年間ずっと側にいてくれて、ありがとうございました。あなたがいたから、僕は頑張れました。」


ダンスが終わっても離れがたく感じてしまうと、一瞬だけぎゅっと抱きしめられて

「クリストファー王太子殿下と末永くお幸せに。」

「私もイーサン殿下の幸せを祈っていますわ」

「でも、もしもクリストファー王太子殿下との結婚が嫌になったりしたら、いつでも僕のところに来て下さいね。」

「そうならないように努力しますわ。」

と2人で微笑み合った。

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