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2-8.クリストファールート「さようなら愛する初恋の人(イーサン視点)」

ついに学園中等科を卒業し、僕は高等科へ進学、セルヴィア嬢はエンドラ王国へ旅立つ時が来た。

結局最後まで学園のテストはセルヴィア嬢が学年一位、僕が学年二位で、僕がセルヴィア嬢に敵うことは無かった。


明後日の王城での謁見、昼食、パレードが終われば、次にセルヴィア嬢に会えるのは、4ヶ月後のセルヴィア嬢の結婚式。


今日はセルヴィア嬢の旅立ちを祝うダルヴァール家のパーティーに来ている。

彼女の友人が全員来ていて、皆が彼女との別れを惜しんでいる。


僕はもう会えなくなる彼女をずっと見ていた。

片時も目を離したくなかった。


クリストファー王太子とセルヴィア嬢のダンスは、本当に美しく、2人の幸せそうな姿に胸を痛めながらも、セルヴィア嬢の幸せに喜んでいる自分がいた。

クリストファー王太子ならセルヴィア嬢を幸せにできるだろう。

僕は彼女の幸せを願う。


2人のファーストダンスが終わり、僕は跪きセルヴィア嬢の手を取り手の甲にキスをして

「どうか私と一曲踊っていただけますか?」

とダンスに誘った。


僕がセルヴィア嬢に愛を伝えると、驚く事にセルヴィア嬢も僕と兄上への恋心を伝えてくれた

もう本当にこれで最後なんだ。


僕はセルヴィア嬢に告白をして、キッパリと振られた。

僕と兄上に恋をしたが、愛してるのはクリストファー王太子だけと言われて、胸は痛んだが、僕も前を向いて歩き始めなければいけない。


「最後は笑顔でお別れしたい」

セルヴィア嬢が言った。


ダンスが終わってもしばらく見つめ合い、僕はセルヴィアを軽く抱きしめてから離して、

「クリストファー王太子殿下と末永くお幸せに。」


「私もイーサン殿下の幸せを祈っていますわ」

「でも、もしもクリストファー王太子殿下との結婚が嫌になったりしたら、いつでも僕のところに来て下さいね。」

「そうならないように努力しますわ。」

と2人で微笑み合った。


僕とのダンスの後、セルヴィア嬢は兄上にダンスに誘われて踊った。

兄上も跪いてセルヴィア嬢の手の甲にキスをしてダンクに誘うものだから、僕の時と同じように黄色い歓声が鳴り響いて、倒れる令嬢も出ていた。


翌日はセルヴィア嬢はご令嬢達とお茶会をし、独身最後になるであろう女友達同士の話をしたようだ。


そして、セルヴィア嬢が嫁ぐ日になり、王城での謁見が終わり、ダルヴァール公爵家、セルシア王家、クリストファー王太子で昼食を食べた。

セルヴィア嬢との距離が遠い。

これからは遠い人になってしまうんだと実感した。

微笑み合うクリストファー王太子とセルヴィア嬢が眩しくて、それでもセルヴィア嬢を目に焼き付けたくて、じっと見つめていた。

セルヴィア嬢はパレードの前に王城に集まってくれた親しい友人達に一人一人挨拶をして、僕にも「お元気で」と美しい顔で微笑んだ。

君の笑顔が世界で一番大好きだ。

「セルヴィア嬢もお元気で。」


クリストファー王太子には「セルヴィア嬢を頼みます。」と声をかけると、「必ず幸せにする。」と言っていた。

どうかお幸せに。


クリストファー王太子殿下とセルヴィア嬢はパレード用の馬車に乗りこみ、皆の歓声を受けながら2人は去っていく。。

最後まで本当に天使のように綺麗だった。

2人は大歓声に包まれて、幸せそうに手を振っていた。

僕と兄上は、彼女が去って行った後もその場を動けずに、ずっとその場に立ち尽くしていた。


さようなら、愛する初恋の人。

セルヴィア嬢との楽しかった思い出が次々と蘇ってきて、その晩僕は1人で泣いた。

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