2-3.クリストファールート「雪解け」
「セルヴィ。君が他の誰を想おうとも、全てひっくるめて君を愛している。永遠の愛を君に誓う。どうか僕と結婚してください。」
真剣な表情で私を見つめながら、クリス様は私の手を取り跪きながら、9年ぶり、2度目のプロポーズをしてくれた。
私の気持ちを全てを知った上での真摯なプロポーズ。
時が止まったかのような感覚。
しばらく見つめ合い、それでも私は…
「私はクリス様に相応しくはありません。とても許されない行いを致しました。どうか…」
その先は涙で言葉が出てこなかった。
でも、クリス様は更に言い募る
「相応しい、相応しくないかなど関係ない。セルヴィは自分に相応しい相手だから結婚するの?どんな君でも愛している。僕はセルヴィがいいんだ。他の誰でもない、セルヴィでなければダメなんだ。君以外は考えられない。何があろうとも、君を幸せにしてみせる。」
「クリス様…、本当に私でよろしいのですか?」
「セルヴィじゃなきゃダメなんだ。」
クリス様が優しく微笑むから、私は
「謹んでお受け致します。ご一緒に幸せな人生を歩みましょう。」
と泣きながら微笑んだ。
クリス様は跪いたまま、とても綺麗な指輪を私の左手の薬指にはめてくれた。
それから両親は席を外し、私とクリス様だけになり、私の口から今までの事と、自分の気持ちを包み隠さず話をした。
もう、クリス様に嫌われるという恐怖は無く、優しく聞いてくれるクリス様に話す事により、今までの全ての悩みが嘘のように消えていった。
「今までずっとセルヴィの気持ちを考えずに、自分の気持ちばかり押し付けていた。」と謝りながら、落ち込むクリス様を初めて見た。
クリス様のせいでは無い、クリス様は私を常に大切にしてくれていることを伝えながら、お互いにこれからは思ったことをもっと言い合おうと話をした。
「リチャード王太子からの書簡を読んで、頭が真っ白になった。セルヴィを失うのが怖くて、夢中で後先も考えずにここにきてしまった。」
と話をしてくれて、心配をかけたことが申し訳ないのに、大切にされている事を嬉しくも感じてしまった。
「心配をかけて、迷惑をかけてごめんなさい。でも、来てもらえて嬉しいです。」
「セルヴィが無事でいてくれるだけでいいんだ。僕はセルヴィが生きてくれている事がとても嬉しいんだ。生きてくれていて、ありがとう。」
全てクリス様に話をして、今まで気づかなかった自分の気持ちを口にしていた。
「他でもない、クリス様に嫌われるのが私は怖かったのです。」
「僕もセルヴィに嫌われるのだけが、怖いんだ。同じだね。」
と微笑んでくれて、私は久しぶりに心からの笑顔になった。




