2-1.クリストファールート「セルシア王国からの書簡(クリストファー視点)」
セルシア王国のリチャード王太子殿下から僕宛に大至急の書簡が届いたのは、セルヴィアが帰国して1ヶ月程先のことだった。
こんな事は初めてで、セルヴィに何かあったのかが気になり、僕は使者の手から急いで書簡を受け取りその場ですぐに開けた。
読んだ瞬間に膝から崩れ落ちそうになった。
セルヴィの自殺未遂。。
本当はリチャード王太子殿下自らエンドラ王国にきて謝罪したいが、日数がかかってしまうから、大至急伝える為に書簡を送ると書かれている。
セルヴィア嬢が無事である事に安堵したが、自分の行動に激しく後悔をした。
もしも、冬休みにセルヴィの気持ちに気づかないでいられたなら、変わっていたのだろうか。
僕の行動は更にセルヴィを追い詰めていた。
イーサン殿下がセルヴィに無理矢理キスをしたと知り、もしもこの場にいたら外交問題など忘れて殴りかかっていただろう。
リチャード王太子殿下がセルヴィの自殺を止めなかったら彼女は今頃。。
リチャード王太子殿下には感謝してもしきれない。
僕にはセルヴィがいない未来なんて想像すらできないんだ。
セルヴィとずっと一緒にいられる未来を夢見ながら、ずっと頑張ってきた。
僕にはセルヴィだけなんだ。
それなのにセルヴィの気持ちにも、もっと早くに気づいて、彼女の気持ちを思い、気遣ってあげることすら出来なかっただなんて、僕が完璧な王太子殿下と言われているのがおかしく感じるくらいだ。
ずっと完璧だと周りに言われて、周りからも自分自身でも完璧を彼女は目指し続けたのだろう。
完璧な彼女を気遣う人は誰1人としていなかった。
尊敬する自分の親にすら話せなかったのだ。
僕がセルヴィの友人にと思った親友のフローラ嬢にも彼女は話す事が出来なかっただろう。
周りは皆、彼女が僕の婚約者で、妃になると思い、完璧な彼女を求めていたのだから。
婚約者、恋人である僕が、こんなに追い詰められていた事に気づいてあげられたのなら。
せめて冬休みに、自分の気持ちを押し付けるだけではなく、彼女の気持ちを少しでも考えてあげられたのなら。
今すぐにセルヴィに会いたい。
会って抱きしめて安心させてあげたい。
僕は父上にセルシア王国へ今すぐ行きたい事を伝え、大急ぎでダルヴァール家を目指した。
父は驚いた様子だったが、僕の事を信頼してくれているから、何も言わずに送り出してくれた。




