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39.セルヴィア嬢を失うのが怖い(イーサン殿下視点)

セルヴィア嬢に無理矢理キスした日から、彼女は更に思い悩んだ様子をしていて、とても心配だった。

でも、あんな事をした僕から、悩みの原因である僕から話しかけたら更に悩んでしまうだろう。

昨日は兄のリチャード王太子から、セルヴィア嬢と何があったのか問い詰められ、無理矢理キスをした事を怒って初めて殴られた。


そして、今日、セルヴィア嬢の体調が悪いから早退して、兄上が王宮に連れて帰っていると聞いて驚いた。

こんな事は初めてだし、体調不良にしても普通はダルヴァール家に送り届けるだろう。

心配で学園が終わってすぐに王宮へ帰り、セルヴィア嬢の元へと急いだ。


部屋にはセルヴィア嬢、兄上、侍女がいて、セルヴィア嬢は眠っているようだ。


兄上が部屋を移動しようと言うので、侍女とセルヴィア嬢の2人を残して、僕と兄上は違う部屋で2人きりになった。

兄上が今日あったことを僕に話した瞬間、激しい後悔と、彼女が生きてくれている事に安堵し、兄上に感謝をした。


僕たち3人の王子はセルヴィア嬢を奪い合うばかりで、セルヴィア嬢の気持ちを考えた事が無かったのかもしれない。

気づかない間に自ら死のうとする程、セルヴィア嬢が追い詰められていたとは。

飛び降りようとした瞬間に兄がいなければどうなっていたか。

セルヴィア嬢が死んでいたら、自分で自分のことを一生許せなかっただろう。

もしかしたら僕も後を追っていたかもしれない。


クリストファー王太子に、こちらで起きた事実をすぐに書簡で伝えようと思うと言われ、僕もそれに同意した。

本当はエンドラ王国に行き、直接伝えたいが、緊急を要する事なので父にも事情を伝え、大至急書簡にしたためて送った。

明日と明後日は学園が休みだ。

明日はダルヴァール家にセルヴィア嬢を送り届けながら、ダルヴァール公爵に事実を伝え、誠心誠意謝ろう。


セルヴィア嬢がいる部屋に戻り、彼女の寝顔を見た。

天使のような寝顔、寝顔を見るのは初めてだ。

ずっと見ていたい。

僕がセルヴィア嬢の寝顔を見れるのは最初で最後だろう。

僕はぐっすり寝ている彼女に何度も謝った。


翌朝、セルヴィア嬢に僕は何度も謝り、クリストファー王太子殿下にも事実を書いた書簡を大至急送った事を伝えた。

セルヴィア嬢は、なんだかホッとした表情になり、「ありがとうございます。」と一言、口にした。

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