18.初デート(クリストファー王太子殿下視点)
今日はセルヴィの誕生日だ。
初デートが楽しみすぎて、ここ1週間はそわそわしてしまった。
セルヴィは町娘の格好をしていて、7ヶ月前が懐かしく感じた。
どんなセルヴィも可愛い。
初デートは、今までの人生で一番楽しい時で、セルヴィといると人生で一番の幸せがどんどん上書きされる。
このまま、時が止まればいいのに。
何より、今まで僕を見てもドキドキした様子の無かったセルヴィが、1週間前に婚約者として好きと伝えてから、僕を見てドキドキした様子を見せるようになってくれた。
この僕を見てドキドキしてるんだ。
ねえ、セルヴィ、もっと僕にドキドキして、僕を好きになって?
自分の顔が綺麗とみんなから言われても、今まで気にならなかったけど、セルヴィがドキドキしてくれるこの顔に初めて感謝してる。
でも、デートの時にみんなにお土産を買いたいと言ったセルヴィの口から、イーサン殿下の名前も出た時はイラッとしてしまった。
セルヴィは素直で裏表が無く、何でも話してくれる。
イーサン殿下もセルヴィにとって友達だから、僕に話すんだろうけど、手紙でイーサン殿下と仲良くなった話を読んだり、報告を受ける度に僕はすごく傷ついた。
イーサン殿下とは関わらないように言ったら、セルヴィはどう思うかな?
僕の事を嫌いにならないで欲しい。
だから、友人と家族一人一人に対してのお土産を選んでいるセルヴィに僕は言ったんだ。
「僕も一緒にお土産を選ぶよ。」
これで、僕と一緒にお土産を選んだとセルヴィは伝えながらお土産を渡すだろう。
好きな女の子が他の男の子とデートをして、他の男の子と一緒に選んだプレゼントをもらったらイーサン殿下はどう思うかな。
セルヴィはイーサン殿下を友達と思っている様子で
「一緒に選んでくださるんですね。ありがとうございます。」
と嬉しそうに笑ってる。
イーサン殿下はもちろんセルヴィとデートをした事はないけど、セルヴィからイーサン殿下の話が書かれた手紙を受け取る度、僕がどれだけ嫉妬していたか、イーサン殿下も分かればいい。
セルヴィの婚約者は僕だ。
イーサン殿下にはセルシア王国で虫除けをしてもらいたいけど、僕からイーサン殿下への牽制もする。
お揃いのブレスレット、庶民でも買えるような物だけど、一生大切にする。
庶民の格好で会った僕たちが、初デートで買ったお揃いの庶民のブレスレット。
僕の宝物だ。
楽しい一日はあっという間に終わってしまった。




