11. イーサン殿下との出会い
セルヴィアは入学前から11歳のマーガレット王女殿下と話をしてみたいと思っていた。
マーガレットは世界で5番目の大国、トルニア王国の王太子殿下と2年前に婚約をしている。
お互い妃教育を受ける身なので、話が合うかもしれないと考えていた。
そして、入学式当日。
入学式は滞りなく行われ、教室にやってきた。
入学式の間もイーサン殿下は大勢の人から注目を集めていたが、話しかけられる時間は無かったので教室に入った瞬間に、多くの人に囲まれていた。
イーサン殿下も同じクラスのようだ。
黒髪の美青年で王子となると、お近づきになりたい人は多いだろう。
イーサン殿下が注目を集めているように、セルヴィアも注目を集めていて、教室に入ると同時に、人に囲まれて話しかけられていた。
ここまで大勢に話しかけられるのは初めてなことなので、戸惑っていたが、同じく人だかりができているイーサン殿下へ目がいって、イーサン殿下もこちらを見ていたので慌てて目を逸らした。
すぐに先生が着席を求めて、最初の挨拶が始まった。
セルヴィアはイーサン殿下にマーガレット王女の事をいつか聞けるかなと考えていたが、驚くことに最初の休憩時間にイーサン殿下から声をかけられた。
お互いにお近づきになりたい人たちの人だかりができていたが、王族相手にみんな一斉に静かになった。
「ごきげんよう。セルヴィア嬢」
「ごきげんよう。お初にお目にかかります。イーサン殿下。お声かけいただき、ありがたく思いますわ。」
完璧なカテーシーをしながら答えた
「セルヴィア嬢の聡明なお噂はかねがね聞き及んでいますよ。想像以上に可愛らしい方で驚きました。エンドラ王国の王太子殿下に見初められるのが、よく分かります。」
「ありがとうございます。お褒めいただき、嬉しく思います。私もイーサン殿下のお噂は聞き及んでおりますのよ。学問もとても優秀でいらっしゃるとか。」
「いえいえ、セルヴィア嬢ほどでは無いかと思いますよ。セルヴィア嬢も学問がとても優秀だと聞いています。」
「それでしたら、私たち学問のライバルになれるかもしれませんね。」
セルヴィア嬢は少しイタズラ気に笑った。
イーサン殿下は少し頬を赤くしながら
「共に勉学に励みましょう。よかったらお友達になってくださいませんか?」
「ありがたい申し出ですわ。こちらこそ、これからはお友達として、よろしくお願いいたします。」
と2人は早速友人になったのだ。
セルヴィアにもイーサン殿下にも大勢がお友達になろうと殺到するので、正直他のクラスメイトとの距離は少し決めかねていた。
信頼できる人物を見極め、お友達になれればと思っていたので、しばらくは人間観察をすることとした。
フローラ嬢ともよく話すが、イーサン殿下ともすぐに打ち解けて、学園でセルヴィアとイーサン殿下が話す機会は自然と増えた。




