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第二章 第一話  ばんざいやまにひびくおと

こんにちは。こんばんは。おはようございます。

小町翔石といいます。

よろしくお願いします。


この「ばんざいやまのお友だち」は月・水・金のペースで

午後の六時台に投稿しようと思っています。

でもその通りにできなかったらごめんなさい。


この話を読んで面白いと思っていただけたらとても嬉しいです。

つまらないと思われたのなら、どこがつまらなかったか

教えていただけたら、勉強して次に生かします。

頑張ります。


では、どうぞ。


 トンテンカントン。

 トンテンカントン。


 天気は快晴。

 朝から、気持ちのいいかなづちの音がひびいています。


 いま、ばんざいやまではおにババ食堂の二号店が、おにババ食堂一号店のとなりに建てられている真最中なのです。

 じゅえるがお友だちになって二か月。

 料理人がふたりになったおにババ食堂は、予約のお客さんも二倍どころか三倍、四倍になって、うれしい悲鳴をあげているのです。


 でも問題もできてしまいました。

 いままでの食堂ではひとが入りきらなくなってしまったのです。

 かといって予約をしたお客さんを何日も待たせるなんてわけにもいきません。

 そこで、ばんざいやまのおとなたちで話しあいをしました。


 おにババ食堂一号店はいまから八百年以上もまえに建てられた歴史のある建物なのです。

 やまのなかでもとても古い部類に入る建物なので、これを機にいったんこわしてしまおうかという意見もでたのですが、八百年以上もやまのお友だちのお腹を満たしてきたこの食堂をこわしてしまうのはもったいないという意見のほうがおおきく、おにババもそれに同意しました。

 それじゃあと出た二号店の意見に、みんな、こわしてしまおうかと言ったお友だちもふくめてみんな、賛成して、さっそくとばかりにとりかかっているのです。


 おとなたちが集まって見る見るうちになにもなかったところに食堂がつくられていく様子を、年下の子どもたちはすごいすごいと目を輝かせて観ていました。

 年上の子どもたちは手伝いをまかされて、どこかほこらしげです。


 とんびが空に輪をかいて、ピーヒョロロと鳴いています。


 やまのおとなたちが、午前と午後にわかれて半分ずつ仕事を休んで建てているおにババ食堂二号店は、この調子でいけば半日とかからずにできそうです。


 リーダーをしているのはやまいちばんの大工さん。

 うまのはなのお父さんです。

 はなはお父さんがみんなのリーダーになって食堂を建てているところを見て、にこにこと笑っています。

 お父さんの格好のいいところを見られて、うれしいのですね。

 まわりにいるお友だちも


「はなちゃんのお父さん、かっこいいね」


 と素直にほめるので、はなはますます笑顔になります。

 太陽がだいぶ高くにのぼって、お昼休みになりました。


「はい、お疲れさま。ありがとうね」

「みなさんきようですね。こんなに早くかたちになるなんて」


 おにババとじゅえるは、手つだってくれたひとりひとりにそう言いながら、おにぎりふたつとお茶を手わたしました。

 わたされたおにぎりとお茶を手に


「ありがとう」


 とみんなにっこりです。

 じゅえるから手わたされたお友だちは、ほんのりと赤くなっています。


 子どもたちはおにぎりではなく、それぞれのお母さんがつくったおべんとうを食べています。

 おにぎりお茶におべんとう。

 青空のしたで食べるお昼ごはんはとてもおいしいようで、はんぶんくらいできあがったおにババ食堂二号店のまわりには、笑顔がいっぱいでした。


 午後になると、午前中に手つだったおとなたちは仕事にいき、かわりに午前中に仕事をしていたおとなたちが、おにババ食堂二号店を建てにきました。

 そこにはくまのごんたのお父さんもいます。

 きつねのきゅうびのめんどうをみているかえるのがまおじさんもいます。

 きょろきょろと捜して見つけると、がまおじさんはきゅうびに手をふって合図をしました。

 きゅうびも手をふってかえします。

 ごんたときゅうびいがいのお友だちも、自分のお父さんを見つけたときや、仕事にむかうお父さんにさようならという意味をこめて、笑顔で手を振っています。

 でもたぬまるだけは、ちょっとさみしそうな顔をしていました。


 はなのお父さんがおにババ食堂二号店建設のすすみ具合とこれからするしごとをかんたんに説明して、みんなでしごとにとりかかります。


 きゅうびはお友だちといっしょに木材を運んだり屋根のかわらを運んだりと、おおいそがしです。

 子どもたちは、手つだいのあいまに柱にする木のきりかたや木材のくみあわせかたなどを大人たちからおそわって、じっさいにやってみたりしています。

 こうやって技術がうけつがれていくのです。


 太陽が夕日になるまえに、おにババ食堂二号店は完成しました。


「みなさん、ごくろうさま。わたしが思っていたよりも、とてもりっぱな食堂になった。これでばんざいやまに、またひとつ笑顔の集まる場所がふえた。とてもいいことで、わたしはうれしい。みんなだってうれしい。さあ、まだ早いが、今日はもう家でつかれをいやそう」


 タオルで汗を拭って、てんぐさまはつづけました。


「子どもたち。これはあたらしい家ができたときに記念にくばるおもちだ。本当なら家の屋根とか二階からとかまくものなんだけど、今回はみんなに持って帰ってもらう。みんなにくばるぶんはちゃんとあるから、いい子に並んでじゅんばんで家に持って帰るんだよ。とちゅうで食べたりしたらいけないよ」

「はい」


 子どもたちは声をそろえました。

 八人家族のいのししののっこは、おもちをやっつももらえて、みんなにうらやましがられていました。

 でも、たぬまるは、ふたつだけでした。

 てんぐさまは、手つだってくれてありがとな、と微笑みましたが、たぬまるはじょうずに笑いかえすことができませんでした。


 おもちのはいったふくろを手に、きゅうびとごんたとたぬまるは帰り道を歩きました。

 かっぱのかわぞうは、お父さんと先に帰っていたのです。


 三人はおにババ食堂二号店ができたことに、とてもこうふんしていました。

 おにババの料理や、じゅえるの料理で、あれが食べたい、これが食べたいと、声も自然とおおきくなりました。

 と、きゅうびがぐるりとまわりを見わたしました。


「どうしたんだ、きゅうび」

「いや、これはぼくたちだけの秘密の話だから」


 はじめは意味がわからなかったごんたとたぬまるでしたが、きゅうびがつづきを話しはじめたら、なっとくしました。


「コトミちゃんの話なんだ」


 だからかわぞうにもきかせたかった話なんだけどね、ときゅうびはいいました。


「こないだ、夢にでてきたんだ」

「なんだ、またばんざいやまで会ったとかじゃないんだ」


 たぬまるはひょうしぬけしました。

 でも、つづきをきくとしんみょうな顔をしました。


「うん。じっさいにあったわけじゃないよ。ないんだけど、でも、とてもふしぎで、まるで本当にあって、本当に話をしたみたいな、夢だけど現実におこったことみたいな、ふしぎな夢だったんだ」


 ごんたはつばをのみ、たぬまるはしんけんになりました。

 ばんざいやまのお友だちは、子どももおとなも語り部さまの話をきいてそだっています。

 その話のなかには、夢が現実になるお話や、未来におこることを夢で見たおかげできけんな目からにげることができたというお話、死んだひとや会いたいひとが夢にでてきてくれる、夢のようだけど夢というかたちをとった本当のお話が、あるのです。

 これがそれなんだ。

 ごんたとたぬまるは思いました。


「それでね、夢のなかで、コトミちゃんは、手をあわせて、なにか呪文みたいなのを、ぼくが声をかけてもわからないくらいに夢中になって、となえているんだ。さいしょはなにをいっているのかきこえないくらい小声で、早口だったんだけど、よおく耳をすましていると、ぼくにきがついたコトミちゃんは、へびに気をつけて、そういったんだ。そこではっと目がさめて、でもぼくははっきりとおぼえてるんだ。コトミちゃんの目は、なんていうか、ひっしだった。だからぼくは、ぼくたちは、へびに気をつけなくちゃいけないんだよ。ぜったいに」

「うん。わかった。へびだね。かわぞうにも教えてあげよう」

「このばんざいやまにも、毒へびがいるかもしれないしな。森であそぶときも、注意しよう。みんなにもいわなくていいのか? おれたちだけでいいのか?」


 たぬまるはかくにんしました。

 でもきゅうびは


「たぶん大丈夫。コトミちゃんにかかわったぼくたち四人だけ、のような気がする。でも気がするだけで、みんなにもおとなのお友だちにも、教えたほうがいいのかもしれない。それはわからない」

「とにかく、へびには気をつけよう」


 ごんたはきゅうびの話を、頭から信じたようです。

 たぬまるもばんざいやまのなかまです。

 語り部さまの話が本当になったんだと、少しこわくなったくらいです。

 そしてさんにんは、それぞれの家族が待つ家へと帰っていきました。


大人も楽しめる童話を書きたくて書いたのですが、

いかがだったでしょうか? 


第一章とはまた違う色になるので、

途中からの方はそちらもぜひどうぞ。


では、また。

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