行動経済学で考える計画の立てかた
筋トレやランニングなどのスポーツのトレーニングをしようと思いつつもなかなか実行できないのは行動経済学では現在バイアス・正常性バイアスのせいであり、前回はナッジ理論を使ってこの二つを抑制してトレーニングをする方法論を書いてみた。
そして今回は行動経済学でどのようなトレーニング計画を構築すれば良いかを考えてみよう。
トレーニングの目標を立てて達成出来ないのは、目標を立てたけれども具体的な行動をしなかった(やろうと思ったけど結局しなかった)と思われるが、どうすればこの目標と行動のギャップを埋める事ができるだろうか。
これを自分のロードバイクでレースに出た時の話に絡めて説明してみようと思う。レースに向けて計画を立てる時、まず考えるのは、下記の通りである。
・目的:何をしたいのか=レースで好成績を残したい
・目標:何を達成すれば目的に達するのか=上位10%以上、そのためのタイム、パワーなどを数値化していく
・計画:目標を達成するために現在とのギャップを埋める=現実的かつ具体的な計画を立てる
・リスク:計画を実施するにあたりリスクを洗い出して対策を考える
・見直し:定期的に目的・目標・計画・リスクを見直し、無理がないかチェックする
行動経済学では計画を具体的に立てるようにアドバイスする。未計画で達成することができるとすれば偶然か生来センスがあったかである。
さて、計画を立てる前提として目的と目標をはっきりさせないといけない。ここが曖昧なままだと計画の段階で挫折すること事が多い。
自分の場合はヒルクライムレース(10キロ以上の峠を登り続けるレース)で好成績を残したい(目的)と思い、自分の今の実力からどの辺までなら目指せるか調べたところ上位10%ならば達成は可能と判断した。
その上位10%になるために時間は何分以内か、その時間に達するにはパワー(ロードバイクには脚力をワットで換算するセンサーがある)がどのくらい出せればよいのか、そのパワーに今からどのようなトレーニングを行えば達成できるのかを調べたところ達成可能(目標)という結論に達した。
そしてレース当日までの残日数を数え平日は何時間トレーニングできるか、どんなトレーニングを行うか、休日はどこでトレーニングするかと具体的に逆算して計画を立てて行った。
具体的には平日は1時間トレーニング時間を確保してローラー台上でインターバルトレーニングを中心に行い、週に2回は夜中に近場の峠まで登りに行った。
休日はレース場の峠よりもきついと言われる山に行き、何分以内で登りきればレースの峠を登り切れるかも計算して登っていた。
行動経済学としては上記のように計画は具体的かつ現実的に考え(紙に計画を書いて)ていく。人間というのは目標を具体的行動にまで細かく分割し、それに従って動かないとなかなか目標に達成できないのである。
目標達成の計画を事前に考えず、その場その場で最適な行動をするというのはなかなか難しいことである。
上記のような具体的な計画を立てたらそれを実行できるように自分を追い込むことである。前回書いたようにSNSでレース上位10%に潜り込むと宣言してしまうとか、計画を忘れないようにリマインダーに細かくトレーニングの通知が届くように設定するとかである。
また数ヶ月先のレースに向けて計画を立てる際に長期の目標を立てるだけでなく短期(1週間)の目標も別途立てる必要がある。1週間で結果など出ないと言われるかもであるが、数ヶ月先のレースということになるとプロスペクト理論的に今日はこの程度(低い強度の練習)で済ませようとしたり、最悪サボったりする。
それを防ぐために1週間でこれを達成するという小さな目標も立てる必要がある。
もっともここまで細かく計画を立てて忘れるとかないと思うが。
次に上記の計画を実施するにあたりどんなリスクがあるかを考える。計画が計画のまま進むということはまずなくどこかで想定外の事や、今日くらいはいいかというプロスペクト理論(将来より今を選ぶ短絡思考)いくらでも計画を瓦解させるリスクは起こり得るのだ。まず仕事が忙しくなった場合、飲みに誘われる場合、想定しうるリスクに対してどう対処するかも考える。
あとは実行していくだけである。
そして週に一度目的・目標・計画・リスクについて見直しを行う。どこかに綻びが生じていたらなんらかの対策を立てなければいけないし、無理があるならできるレベルまで落とす必要がある。
なお、私はそのレースで500名中35位という好成績を残せた事はここに記しておく。
追記:計画を立てる時マラソンやロードバイクだと月に何キロ走ったかということを気にしがちだが、トレーニングの基本は時間✖️強度である。距離はある程度必要ではあるが、それ以上は強度を気にしてほしい。




