乳酸は疲労物質、ではない?
筋トレや激しい運動を長時間続けていると、筋肉が疲労して思ったように動かなくなり、妙な痛みさえ感じる。その状態を乳酸が溜まって来た、と昔は言っていた。
だが、最近はこの表現をする人は少なくなっているはずである。なぜなら乳酸は疲労物質では無かったのだからである。
ここで「な、なんだってー」とMMR(古いなぁ)の画像でも張り付けたい気分である。
さて、
乳酸が疲労物質と言われていたのは、疲労している状態で乳酸が筋肉に蓄積していたからである。そのため長年乳酸が疲労物質であり、これを除去することが疲労回復の鍵と思われていた。その方法としてお酢を飲むとか、筋肉をもみほぐすという方法が採られていたが、現代では揉むという行為は筋肉を逆に痛めるためによくないと言われているくらいである。つまり疲労回復のためにいい加減な療法をしてきた、ということになる。
では乳酸は何なのかといえば、筋肉のエネルギー物質なのである。
少し筋肉に乳酸が溜まるの流れを書いてみよう。なお、下記の説明はくわしい方が見れば、正しくないと言われるかもしれないが、正確な流れを書くと複雑すぎて逆に分からなくなると思われるので、端折った説明とさせてもらう。
有酸素運動領域(酸素と脂肪を消費してエネルギーを作る)は息苦しくない程度の運動であるが、徐々に運動が激しくなるにつれて有酸素運動ではエネルギー供給が追っ付かない状態となる。
こうなってくると、筋肉は有酸素運動から無酸素運動領域(酸素を使わずグリコーゲンを消費してエネルギーを作る)に切り替わってくるのだが、この無酸素運動でもエネルギー供給が追いつかなくなってくると、エネルギーの元が不完全燃焼(例えであり正確な表現とは言えない)を起こして一時的に乳酸となる。
激しい運動をしていると乳酸が生じるというのは、筋肉のエネルギー供給がてんやわんやしている状態なのである。この状態のときに乳酸が生じていたので乳酸は疲労物質という誤解が生じたのである。
さて、この乳酸は一時的なものでまたエネルギーと変換されて使われていく。このように乳酸は疲労物質ではなく、エネルギー物質なのであったのである。
では、疲労物質は何だったのか。これはまだ決定ではないが、カリウムイオンが筋肉に溜まると筋肉の動きが鈍くなるのでこれが疲労物質ではないかと現段階では言われている。
このように常識と思っていたものはいつの間にか変わっていたり、覆されていたりするものである。




