92.計画
「嘘……何かの冗談じゃ……」
「本当に大丈夫か? 何が書いてあったんだ」
俺はアンナのもとにかけより、落とした日記帳を拾う。
アンナがここまで動揺するのなんて見たことがない。
体調が悪い……わけでは決してないはずだ。
拾った日記帳を広げ、書いている内容を見ていく。
キメラの作成方法や日々の記録……それから。
「王都の破壊計画……だと……?」
俺は一つのページで手が止まる。
王都の破壊計画って……マジで言っているのか?
思考を巡らせていると、エイラが覗き込んでくる。
「これ……ヤバいんじゃないですか? 日付、明日じゃないですかこれ」
エイラが指さしたところを見てみると、確かに実行計画日が書かれていた。
明日だ。何度見たって明日の日付が記されている。
「待ってくれ。それに、これ。計画で扱う物も書かれている」
ミスリルと火薬を合わせた……精霊火薬による破壊。
「誰か精霊火薬って知っているか?」
「……知っているわ。ミスリルは万能の鉱物って言われててね。調合に扱うと飛躍的に能力が向上したりするの」
そう言いながら、アンナが立ち上がる。
「かなり強力な火薬よ……あんなの喰らったらひとたまりもないわ」
「それを……王都の破壊に使おうとしているのか……」
アグの飄々とした態度が未だに掴めないでいたが、まさかこんな酷いことを考えていただなんて。
しかし、ともあれだ。
「今すぐに王都に戻らないと不味い。今すぐだ」
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