65話
応接室から出たアタシは、気を取り直して、さっそく、集会所で組んでくれる奴を探す
が「補助魔法が使えない人はいらないんだ」 「補助が出来ない女は色気の無い女と同じ」だの言われ、断られる事。
今だにどこのも所属場所が見つからなかった。
「君、新人? 悪いけど僕の所はそんな余裕は無いからでも、僕の言う事を聞いてくれるなら――」 と剣士の男に言われた時、そばに居た女性がそばに来て「それに補助魔法すらできない人なんていらないし、これ以上女はいらないのよ」 と耳打ちされた。
「何かあったのかい?」
「ううん、何でもないよ。 そろそろ行きましょ」
いい加減ウンザリしつつ、気晴らしに食堂でコーヒーを飲む。
何度、飲んでもまずい事には変わりないが、(無いよりマシか) とタバコを吸う。
「あら、あなた一人?」
「あぁ、そうだ。 これで二人に見えるんなら医者を進めるね」
声を掛けられ、後ろに振り向くと二人の女性が立っており、左手に盾を装備した剣士ともう一人はメイジだろうか大きな杖には魔石が二個埋め込まれているのが見える。
「何か用か?」
「あなた新米で、誰も組む人がいないんなら、私のパーティーに入らない?」
一瞬考えたが、このままはどこかのパーティーに入らないと罰則を食らい。
最悪、資格剥奪も考えられたし、何度も断られてウンザリしていたので、承諾する事にした。
「あぁいいぜ。 アタシで良ければ」
「ねぇ、こんな皮肉いう奴なんかやめよぉ」
女剣士の後ろに隠れ、なにやらコソコソと耳打ちするメイジに近づくと「ヒャッ」と小さく叫ぶと帽子を深くかぶり隠れる。
(なかなか面白い奴だな)
「アルを揶揄わないでくれる? あたしはマリカ・ベイリーよろしくね。 アルもビビらないで自己紹介」
「あ、アル・リーノです。 よろしく」
「アタシはブロンディよろしく」
互いに握手をし、彼女たちも席に座る。
アルと呼ばれる少女は帽子を深くかぶり、恐る恐る席に座り、マリカは店員に3人分の軽食を注文する。
「アタシの分はまでいいのか?」
「いいの、いいの。 これから仲間じゃない」
食事の間、軽く自己紹介する。
今まで他のパーティーに参加していたが離脱して新たなメンバーを探してた所に
パーティーを断られているアタシを見つけたらしい。
「へぇあなた新人さんなんだね」
「元々、ソロでやって行くつもりだったんだけどギルドマスターに脅された」
「マリカ、やっぱりヤバい人なんじゃ」
「アル、しつこい! あたしが決めたんだからいいの ごめんねブロンディ この子ビビりだから……」
「ビビりじゃない!」
「まぁ知らない奴には誰だって警戒するもんだ。 よろしくなアル」 と手を差し出すと深くかぶった帽子を少し上げ、アタシを見ながら恐る恐る握手をするその目はまるでいっぱいに溜まった桶の様だった。
(そんなに泣きそうになる事かよ) と一抹の不安の中、パーティーに入ることが出来た。




