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夢
『…俺さ、本当は精神科医になりたかったんだ。ずっと姉貴に憧れてた。俺にはないものいっぱい持ってる姉貴が、羨ましくて、かっこよくて、自慢で、ウザくて…』
『うん。』
『姉貴みたいになれたらって。でも素直に認めるのが嫌で…』
『うん。』
『昔から俺の前には必ず姉貴がいて。俺にとっては姉貴が道しるべで。でも俺のことなんか突き放すぐらい姉貴は速くて。いつも背中ばっか見てた。』
『そっか。』
『血のつながった兄弟なのに、なんでこんな違うんだって、小さい時からずっと思ってた。姉貴みたいになりたかったくせに、結局自分から逃げたんだ。惨めな思いをもうしたくなかったんだ。』
『…』
『ほんとかっこ悪いよな、俺。でも姉貴を追うことをやめたらなんかほっとしたんだ。結局姉貴みたいにはなれなかったけど…』
『そうだね。でもそれはかっこ悪いことじゃないと思うよ?』
『え?』
『だって… 』
-「おい、起きろ!裕介!!」




