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約束
「それじゃ、あたし帰るから。」
「え?…あぁ。」
「…思い出そうと必死なのは嬉しいけど、やっぱ裕介にはそういう難しい顔は似合わないわね~。明日は雨が降りそうなぐらい…」
「うっさい!!、とっとと帰れ!」
「ククク…あんたは、ばかみたいに笑ってなさい。それがあんたの他の誰かにはない魅力なんだから。じゃあね~」
「次は彼氏ぐらい連れてこいよな!」
姉貴が帰った後の病室は静かになった。
もう寝ようと思い布団をかぶると、さっきの会話が頭の中でリピートされる。
…クソッ。なんなんだよ。『ほかのだれかにはない魅力って』完璧バカにしてるだろ…。
「…それは自分のほうだろ。くそ姉貴…」
「なんか言った?」
―バサッ
「え!? なんで!?帰ったんじゃなかったのかよ!?」
…姉貴がそこにいた。かえったよな?さっきドアから出てくの俺見たし…
「さっき言忘れたことがあって…、みゆちゃんがいるんだから、浮気したら次からシクラメンか椿の鉢植えもってきてあげるから。じゃ~ね~」
「しねぇーよ!浮気なんてもう!」
約束したんだ。
…誰と?




