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双極性障害とは

双極性障害とは

テンションの差が激しすぎる病気です。


躁状態は無敵のコミュ力、無限のアイデア、極限の自信、究極のポジティブになれます。


話しかければ絶対に誰とでも友達になれる。

何故なら拒絶した相手は人では無いから。


プレゼン資料は唯一無二の作成が出来ます。

ロジックや実現性などは関係ありません。

オリジナリティ、独創性が目的だからです。

口出しする者は固定概念に囚われ、新しい発想や変化に怯えてるとみなしつつも改善させます。


勝負事は敗北を知りません。

勝つまで続け、勝利が終わりになるからです。

ギャンブルや株のデイトレードを始めたら

口座の残高が溶けます。

しかし、借金をすれば口座が増えるので勝利です。

株は投資、借金も投資という謎の理論です。


決して病気だなんて自覚はありません。

人生が煌めき愉しさで溢れる呪いです。


対して鬱状態は希死念慮(きしねんりょ)と言う死にたくなる呪い、不眠の呪い(人によっては永遠の睡魔)、自己嫌悪の呪いに襲われ、究極のネガティブになります。


酷い時はベッドから僅かしか動けなくなります。

よく鬱状態の表現に身体が鉛のようになるとありますが、私の感覚はちょっと違います。


全身がハンマーじゃないと形が変わらない熱せられた鉄になり、コロナとインフルエンザ同時に罹ったような怠さに、手加減された金縛りの中、うっすら呼吸ができて濡れない水中にいるような感覚です。


それでも無理して動くのはトイレと風呂のためです。

風呂キャンセル界隈という言葉があります。

気持ちはよく分かります。

しかし風呂キャンを続けるとどうなるか。

頭から足の先まで全身痒みに襲われます。

体力と痒みの不快感を天秤にかけると

私は這ってでも痒みの予防を選ぶのです。

あと頭にニキビが出来ます。

私は必ず潰すのでカサブタだらけになります。

痒くて掻きむしるとカサブタが草刈機で雑草が吹き飛ぶように剥がれていきます。

痒みと痛みと何となく頭皮へのダメージが心配なので頭は入念に洗います。


自己嫌悪はとても些細な事で起きます。

お風呂の栓を忘れて寝込むレベルです。

私は風呂も準備できないクズだと。

皿を割ってしまったら心も割れます。

お茶をこぼせば涙がこぼれます。


希死念慮は自己嫌悪の延長にあります。

なぜ私は失敗を繰り返すのだろう?

なぜ病気になったんだろう?

更に生きる意味を問いだしたら終わりです。

自分は悪だという思考に陥り罰を与えます。

自傷行為が始まります。

有名なのはリストカット、アームカットです。

リストカットは腕の裏側、アームカットは表側です。

カミソリを滑らせた瞬間、ジャリジャリという感触と電流が走るような痛み、患部に心臓があるようなじわじわと脈打つ感覚。

私は無意識に手加減してしまい納得がいく自傷が出来ませんでした。

カミソリの代わりに手に取ったのは爪切りです。

肉に食い込ませ、一思いに握ります。

カミソリはレーザ銃で線上に肉を焼かれる痛みとしたら

爪切りはスナイパーライフルで点を撃ち抜いたような激痛が走ります。

私はこの引き金を引き、一瞬の激痛が性に合いました。

目には涙を溜め、歯を食いしばり、まだ皮が残ってるところを闇の部屋の中、闇雲に標準を合わせて、引き金を引きます。

腕の表側は意外と硬いです。

パチンッパチンッと爪を切った時と同じ音が響きます。

そして皮膚は噛みごたえがあります。

鉄臭いエイヒレのようなイメージです。


冷静になってきたら終わりです。

血を拭き、腕を水で洗い、消毒します。

長袖は絶対に着てはいけません。

なぜなら次の日に張り付くからです。

私はアームカバーをしてしまいました。

服に血がつかないようにするためです。

朝アームカバーを外す時、月のようなクレーターに出来た柔らかいカサブタ達を、同時に引き剥がす目に会いました。

白いアームカバーは赤黒い染みだらけになります。


危険な自傷行為はもう1つ、OD(オーバードーズ)です。

ODとは用法用量を守らない薬の過剰摂取です。

私は用量を守って服用しても眠れない時、焦りと苛立ちで処方された睡眠薬を過剰に飲む行為を繰り返しました。

結果は眠れます。しかし当然次の診察まで足りなくなるので日程を早めます。

医師からは「次やったら入院だからね」と釘を刺されます。

入院は避けたかったのですが、体調やメンタルの具合によって薬が増えても眠れない日があります。

眠くなるまでシートから薬を出して飲み続けます。

過剰に摂取したしわ寄せはすぐにやってきます。

薬無しの日が続き、睡眠時間が限りなく0に近い日々を過ごします。

スマホで目が疲れてるので、目を閉じますが脳が寝るなと指令を出してきます。

心臓は硬めのゴムになったかのように、胸が苦しくなります。

動脈のあちらこちらに心臓が生えたかのように鼓動がするようになります。

扉やカーテンの隙間から入る光が眩しく目が眩みます。

薬が合うまでこれを繰り返しました。


自傷もODも実は奥が深いです。

それを知るのは先になりそうです。


希死念慮が高まるとすぐに行動には移しません。

なるべく一思いに、苦しまずに、確実に、尚且つ他人に迷惑をかけない方法を調べます。

そして次に遺書の書き方を調べます。

私はいつもそこで正気に戻ります。


これが双極性障害の躁と鬱です。


ただ、これは私の体験であって感覚や症状には個人差があります。

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