21/52
8
零を追うことを諦め、控え室に入り早々にドレスを脱いだ。
そしてキャミソールを来て、ワンピースに袖を通す。
薄いグリーンのシフォンのふんわりとしたワンピース。
全体に小さな花柄が透かしてあって…
これは朝着てきたワンピース。
何も考えずにこれを着て来てしまったけど、この服で2次会?
「…あの」
「はい?」
「これって…2次会とか…大丈夫ですか?」
と、ワンピースを見下ろす。
「全然!素敵ですよ!後は私が茉愛沙さんの可愛さ120%引き出してあげますからね!」
促されるままドレッサーに座った私はティアラを外して貰い髪をほどいた。
丁寧にブラッシングしてもらってから、結い上げていた時に癖が付いてしまった所にたっぷりとヘアスプレーをかけて、ブロー
していく。
いつもはほんの少しうねりがあるのに、今は綺麗なストレートになった。
そしてメイクもワンピースに合わせて可愛らしいものに。
来るとき持ってきたシルバーのバックの中身を確認する。
朝のまま。
携帯とお財布とハンカチとティッシュ。
そして小さい化粧ポーチ。
だけど…
この姿で零の側に居るのは違う気がした。
零に私は似合わない。
どう見ても私には大人の雰囲気なんてない。
零に合うのは…あの人。
それに零が望んでいるのも…
あの人。
私は2次会には出ずに先に家に帰らせて貰おう。




