第二十七話「襲来」
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夜の闇を伝って、宮廷にまで届く凄まじい妖気。
森一つ消し飛んだはずが音一つない。
神経を集中させなくてもわかる、森だった中のある一点のみ強い妖気が集中している。
「朔様! ──っ! 結月さんもいらっしゃったんですね」
駆けつけた凛が声をかける。
その後も、実桜、瀬那、蓮人と集まってくる。
誰もが状況の深刻さを理解していた。
「やばいんじゃねえの、この妖気……」
「ああ、感じたことない妖気の強さと禍々しさだ」
蓮人と瀬那は東を見ながら目を細めてそう言う。
「お前たちで対処できるか?」
朔が守り人たちに問う。
「お任せくださいませ」
実桜の声とともに守り人全員が跪き、一礼した後に強い妖気を放つ場所へと向かっていった。
「私も……!」
と、駆けだした瞬間に腕を力強くつかむ朔の手に引き留められた。
「朔様……?」
「お前はここにいろ」
「でもっ!」
「あれだけの瘴気に侵されていた身体だ。今それ以上の妖気にあてられるのはきつい」
結月は朔に言われて自分の身体がかなり弱っていることに気づいた。
頭がぼーっとし、身体に力が入らないのがわかる。
「あいつらを信じろ」
「……はい」
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守り人たちは東へと駆け抜けていた──
もはや常人ではない速さで宮廷の裏から森へと入る。
妖魔退治の能力を持った守り人たちは、通常の人間では考えられない速さで走ることができる。
あっという間に妖気の放つ東の森があった場所に着いた。
そこには一人の子供がいた。
「……こども?」
「気をつけろ。妖気はあの子供から放たれている」
実桜はそういいながら構えた。
「あれ……ここはどこだろう……」
子供が寂し気にこたえる。
「なんだあいつ」
蓮人は訝しげに子供を見る。
「君たち……あ、そっか君たちが朱羅様のいっていた『イグの行使者』か!」
「──っ!」
「朱羅だと!」
「あれ……でも女じゃないなあ……朱羅様は双剣の女を探せっていってたのに……」
(結月さんを探している!)
「まあ、いっか……僕と遊んで」
刹那、子供は急速に距離を縮めた。どこから出したのかわからない鎌を持って蓮人に切りかかる。
「くっ!」
蓮人は押され、木に背中から打ち付けられた。
「ぐはっ!」
「「「蓮人っ!」」」
他の守り人が蓮人の名を呼ぶ。
全員が武器を構える。
子供は首を斜めに傾けて守り人たちに向かって言った。
「さあ、宴のはじまりだよ」
子供はにやりとした顔つきで守り人たちに微笑みかけた──
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