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第二十六話「琥珀」

本編お待たせしました<m(__)m>

 結月はすぐに朔のもとを訪れていた。

 壇上にいる朔が話し始める。


「男の声が頭の中で響いて、話しかけられた、と」


 朔が結月に問う。

 結月は真剣な顔でうなずいた。その首には先ほどついた瘴気の跡がまだついている。

 瘴気は結月の鎖骨当たりまで侵食していた。


「こい」


 朔が結月に対して声をかける。


「はい」


 結月は朔のいる壇上にあがり、近づく。

 すると、朔は目の前で人差し指と中指を立てて、軽く詠唱した。


 瞬間、結月の首にあった瘴気がはがれた。

 禍々しく手のひらほどの大きさになり、丸くなった瘴気が浮遊している。


琥珀こはく


 すると、結月の後ろから突然ふわっと風が吹き、気づいたときには”それ”が目の前にいた。


「うわっ!」


 思わず、結月は後ずさった。

 人間よりもはるかに大きい獣の姿がそこにはあった。


 ただ、結月は不思議と恐怖を感じなかった。

 よく見ると、白いふさふさとした毛におおわれ、狼のような顔。目が金色に輝いて美しい。


「琥珀、浄化しろ」


 朔が命令すると白い巨大な狼のような獣は、先ほど結月から離れた瘴気を大きな口で食べた。

 何事もなかったかのように琥珀と呼ばれたその獣は、朔の横に伏せて目を閉じた。


 結月は圧倒され何も言えずに佇んでいた。

 ふと自分の首が軽くなったのを感じ触ってみると、瘴気でただれた肌も治っていた。


「安心しろ。お前の瘴気は浄化した。瘴気でお前の身体が蝕まれることもない」


(やっぱり、すごい人なんだ…)


「お前を襲ったやつは朱羅の可能性がある」


「──っ!」


「朱羅はもともとは幻を操る妖魔だ。瘴気を自分の幻にまとわせ、お前のもとへ向かわせたのだろう」


 朱羅が自分を見つけ、会いに来た。

 罠は成功している。これで本体の居場所が分かれば、倒せるかもしれない。


 その瞬間、朔と結月はほぼ同時に戦闘態勢になった。

 と、同時に琥珀も鼻筋にしわをよせ外に向かって唸っていた。

 全員感じたものは同じで、東のほうからとてつもなく強い妖気を感じていた。


「なに……あれ……」


 窓の外をのぞくと東の森が跡形もなく消滅していた──



PVがかなり伸びており、作者も驚いております!

ありがとうございます!


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