僕には姉さんが止められない!
そして放課後。
また一波乱あることはなんとなくわかってるので落ち着いて対処法を考えていこう…って思うんだけど過度なスキンシップに関しては何の対処も出来そうにない…。
と、すると………うん、僕自身が慣れるしかないのかな…かなり難しい話だけど。
「蓮くーん!一緒に帰ろー!」
「あ、姉さん。うん、今支度するね」
「早く早くー!…あれ?柚希ちゃんは?」
「そういえば…」
確かによく考えてみれば姉さんより先に来てもおかしくないレベルなのに…姿が見えないな。
「ま、いっか。早く帰ろー?蓮くーん」
「そう急かさないでよ。………うん、おっけー」
そうして二人で教室を出てげた箱に来る。…そういえばさっきは明日から危ないなんて思ってたけど今日からもう危ないかもしれないんだよな…靴には注意しよう。
恐る恐るげた箱を開ける………
「………ふぅ…」
よかった、何もなかった…僕の考えすぎかな?何にせよ安心だね。
「どうしたの?蓮君。ため息なんかついて」
「や…その…最近ちょっと男子の反感を買いそうなことばっかり目立ってるから…何か入ってるかなって…」
「そんなことないでしょー、今までだってお姉ちゃんといっぱいイチャイチャしてたんだし」
「そうなんだけど…柚希のこともあって、ちょっと気になっちゃってね」
正直姉さんとのことは姉弟っていうこともあって今まで大した嫌がらせはなかった。全くなかったワケじゃないんだけど気にしないで済む程度だった。
「ふーん…?ってことはぁ…やっぱり柚希ちゃんとイチャイチャしてたのか蓮君は!」
「そ、そんなつもりはないよ!ただ…否定は出来ないかなって…」
「むー…あんまりそういうことしてるとお姉ちゃんももっと本気になっちゃうんだからねっ?」
「ぼ、僕の意思じゃないってば!」
これ以上のことをされると僕自身の理性が保てなくなる気がする…!姉さんはもうちょっと自分がいかに魅力的かを理解して欲しい!我慢するこっちがいかに大変かっていうことを!
「じゃあ蓮君の意思はー?お姉ちゃんと柚希ちゃんどっちとイチャイチャしたいって思ってるのー?」
「どっちとって…それは…」
それはもう答えは決まってるけど…答えたら何か後悔するようなことが待っている気がするので、ここははぐらかしておきたい。
「んー?蓮君どっちー?」
僕の顔を覗き込むように尋ねてくる姉さん…正直に答えたくなってきたのは気のせいだとして、どうにかしないと…
「と、とりあえず帰りながら話そうよ」
「むー…?そんなんじゃお姉ちゃんは引き下がらないぞー?」
そう言いつつもとりあえずは帰りながら話す。さてさてどうしよう…
「毎回言ってるけど、姉弟でイチャイチャっておかしいからね?」
「じゃあ蓮君は柚希ちゃんとイチャイチャしたいってこと!?」
「そうじゃなくて!どうしてそう極端なのさ!?」
「じゃあじゃあお姉ちゃんや柚希ちゃんでもない第三者と!?蓮君いつからそんな子になっちゃったの…!?」
「思い込み激しすぎるんだってば!誰ともイチャイチャしたいだなんて思ってない!」
「お姉ちゃんとも!?」
「姉さんとも!」
もう言いきってしまった方がいいだろう…姉さんの思い込みがどんどん激しくなる前に…。
「そんな…蓮君がお姉ちゃんとイチャイチャしたくないだなんてウソだよね…?ウソだよね蓮君…?」
「っ…毎回だけど、その顔はずるいってば…」
正直言えば確かにウソなんだけど…なんだけど…どうしたものか…
「蓮くぅん…」
「うっ…そ、そうだよ!僕は姉さんとしかイチャイチャしたくないよっ!」
あああぁぁぁ…姉さんに負けた…あの涙ぐんだ目で見つめてくるから悪いんだ…!他にどうしようもないじゃないか!
「蓮くぅ〜ん!!!お姉ちゃんといっぱいイチャイチャしようね!?もうイチャイチャなんてもの通り越しちゃおうね!?」
「ちょ、ちょっと!?急に何で抱きつくの!?しかもやっぱり姉さん変態じゃないか!」
「変態でもいいの!お姉ちゃんは蓮君だけには変態だから!っていうか変態だから!」
「意味わかんないよ!変態連呼しすぎだよ!いいから離れてってばー!」
強引に離そうとしてもなかなか離れてくれない姉さん…!あぁぁ、顔が近い近い近いぃぃぃ!
「れーんくんー…んーっ…」
「んっ!?ダ、ダメダメダメダメ、ストーップ!」
やっぱり防ぎきれず許してしまう…だけど長くは許せない!
「あと一分だけ!」
「長いよ!道端で何してるのさ!?」
「たまらんのです!」
「何なのそれ!?どう突っ込んでいいのかすらわかんないよ!?」
「ほら蓮君…本能の赴くままにー…ってね?」
「僕の本能は今とてつもなく危険を感じてるよ!」
そんなこんなでワイワイ話しながら帰った帰り道でした…それが家に帰った途端またとんでもない波乱が待っているだなんて僕は思ってもみなかった…。