僕は驚きが隠せない!
「ただいまー」
「ただいまー!」
あれこれ話しながら家に着く。あれ?知らない靴がある…?
「あら、おかえりー二人ともちょっとリビングに来てー」
「…?うん」
「なんだろうね?蓮君」
「なんだろう…とりあえず行こうか」
なんかちょっとだけ嫌な予感がするけど…き、気のせいだよな…
そして姉さんと二人でリビングまで行く。そこに待ち受けていた人は…!
「…!蓮様…!お待ちしておりました!」
「えええぇぇぇ!?ちょ、ちょっと…!」
僕の名前を呼ぶなり急に抱きついてくる女の子…!どこかで見覚えがあるような気もするけど…だ、誰…!?
「ちょぉっと待ったー!蓮君に抱きついていいのはお姉ちゃんだけなんだからね!?」
「あなたが梓さんでいらっしゃいますわね?お母様からお話はお伺いしております」
「じゃあ私が蓮君のこと大好きなのも知ってるでしょー!?」
「ええ、存じておりますわ。でも、蓮様はですね…」
「ぼ、僕は…?」
「………?」
「私、柏木 千鶴の旦那様でいらっしゃいますの」
「えええぇぇぇ!!!???」
いきなり何を言い出すんだ、この子は!
「そんなの絶対ウソ!蓮君はお姉ちゃんと結婚するんだもん!」
「それこそお門違いというものです。蓮様は既に私と婚約の関係にあるのですから」
「お母さんどういうこと!?」
「うーん、私も詳しくはわからないんだけど、小さい頃に蓮ちゃんと結婚しようねって言い合った仲らしいわよ?」
「本当なの蓮君!?」
「ぼ、僕に言われても覚えてな………ん?」
小さい頃…小さい頃って言ったら多分姉さんと出会う前…。姉さんと出会う前に確かに仲が良かった女の子がいた…それにこの間夢でみたあの子…あれって…ま、まさか…
「思い出していただけました?蓮様」
「えっと…もしかして…僕が引っ越す前に仲良くしててくれた…」
「ええ、その千鶴です!」
「ええぇ!?で、でもあんな遠い所からどうやって…それに千鶴の家は結構厳しいところじゃなかった?」
「そこは愛の力ですわ。あの日約束しましたわよね?絶対に会いに行くって、会ってお嫁さんになりにいくって」
「た、確かにそんな覚えはあるけれども…でもあんな小さい頃の話…」
「私は本気ですわよ?それにあの時お返事も頂きました。その約束を果たしに来ましたの」
「あっ…ちょっと…」
僕の肩に手を置いてまっすぐ目を見てくる千鶴…本気さはよく伝わってくるけど…ってなんか引き寄せられてる!?
「はい、ストーップ!!!お姉ちゃんを抜きにして蓮君とイチャイチャしようだなんてそうはいかないんだからねっ!結婚の約束なんてのもただの口約束だったってわかったし、もう色々ダメーッ!」
「わっ…とと…」
早口で喋りながら僕を千鶴から引き離す姉さん。確かにあんな小さい頃の話を今急に持ち出されても僕としてはどうしたらいいやら…。
「もう…強引な方ですわね…」
「それに今何しようとしたかお姉ちゃんにはわかるんだからね!?お姉ちゃんも同じようにしたことあるもん!」
「なんか理由が不純だよ姉さん!」
「夫婦でしたらキスくらい当然ですわ」
「そんな小さい頃の約束なんて無効だよ無効!」
「無効なはずがございません。現に蓮様は覚えていて下さいましたわ?さあ、私のお家に参りましょう?」
「えぇ?お家って…」
「もちろん私の実家に決まっておりますわ。式の準備でしたら私に任せて頂ければ悪いようにはいたしませんわ?」
「し、式!?それってまさか…」
「結婚式に決まっておりますわ?」
「そ、そんな急すぎるよ!」
久しぶりに再会していきなり結婚式だなんて!いくらなんでも急すぎる!
「そうだよ!そう簡単に蓮君をお持ち帰りだなんて許さないんだから!」
「んー…困りましたわね…」
困ったように唇に人差し指を当てながら考えてる千鶴…この姿にはちょっと見覚えがある。昔からやってる癖みたいなものかなぁ…。
「では、こうしましょう。蓮様と二人でお話させてくださいませんか?結婚の話はまた後ほどで」
「むむ…仕方がない、それくらいなら…」
「姉さんが納得するなら…うん…」
「では早速参りましょう蓮様」




