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カルテに書けない よもやま話  作者: いのうげんてん
   病院寸話(月例朝礼・会議などでの寸話)
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<3-25-2> 病院寸話《53. その一言(ひとこと)が…… ②ボーナスは出るの?》

<3-25-2> 病院寸話(月例朝礼・会議などでの寸話)


《その53 その一言が…… ②ボーナスは出るの?》


挿絵(By みてみん)


 これとは反対に、言った一言が、良い方向へ急展開した経験があります。


 それは私が若い頃、100床ほどの病院に勤めていた時のことです。


 この時もなぜか、前話と似て、病院の理事会で権力闘争が起きていました。 (←案外 これって多いんですよ)


 年の暮れに、ボーナスの話が出ました。冬のボーナスです。


 病院に常駐していた理事長は、職員みんなを会議室に集めて、いきさつを説明しました。


 話すうちに、だんだんと険しい表情となっていきました。


 その病院は経営資金が潤沢ではなく、銀行から借り入れなければ、ボーナスを出すことができなかったのです。


 ところが、病院外にいるA理事が、ボーナス資金を借り入れる銀行との契約書に、サインしないと言い張ったのです。


 その理事は、病院の開設にあたっての出資者で、強い権限を持っていました。


 理事長を交代しない限り、署名しないと言っているのです。


 今の理事長は、病院にいっしょにいますので、職員みんなは親近感を持っています。


 話が続くうちに、だんだんと会議室に険悪なムードが漂ってきました。


「A理事は出て行け!」


 そう言わんばかりの雰囲気です。


 その時、私は 一言、


「ところでボーナスは出るのですか?」


 わざと話題をそらすように言いました。


 理事長は、


「A理事の要求を飲むことを了承して、ボーナスは出ることになりました」


 するとその場の雰囲気は一気に緩和されて、険悪なムードは一掃されてしまいました。


 職員たちにとっては、当然のことですが、理事会のことよりも、ボーナスが出るか出ないかの方が大切なことなのです。


 それでそのまま会議は終了解散となりました。


 険悪なムードでそのまま続いていれば、一種の職員決起集会みたいになっていっただろうという気がしました。


───────────────


〈つづく〉



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│いのうげんてん作品      

│               

│①著作『神との対話』との対話

│《 あなたの人生を振り返る 》《 自分の真実を取り戻す 》

│②ノンフィクション-いのちの砦  

│《 ホスピスを造ろう 》

│③人生の意味論

│《 人生の意味について考えます 》

│④Summary of Conversations with God

│『神との対話』との対話 英訳版

└───────────────


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