<3-20> 病院寸話 《42.行き詰まった時には気分転換》
<3-20> 病院寸話(月例朝礼での寸話)
《その42 行き詰まった時には気分転換》
その1
物事に行き詰まった時には、気分転換をするといいとよく言われます。
確かに、気分転換をすると、違った視点からものを見たり考えたりすることができるものです。
ただ気分転換も、何気なくするよりも、ある気分のフェーズ(局面)から、ほかの気分のフェーズ(局面)に、フェーズを変えることができればより効果的です。
心理学では、物事に集中したときに、脳波がシータ(θ)波になるといわれています。
例えば、お坊さんが坐禅瞑想しているときに、極地に入るとこのシータ波が出るといっています。
瞑想以外の身近な例が、プラモデルを組み立てている時だそうです。
また、ロッククライミングをする人が、「なぜそんな怖いことをするのか」と聞かれたときに、「この一点に集中できるから」と言っていました。
つまり一歩間違えれば転落して大ケガを負うわけです。集中しないと命を失う危険があるのです。
その集中によって、気分はフェーズを変えます。新しい気分のフェーズで物事を始めることができるのです。
私の場合は、気分転換をするときには眠ってしまいます。
眠ると確かに気分のフェーズが変わります。
ただ、緊張していると眠れないということもありますから、その辺が難しいところです。
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その2
日常生活の中で、何か新しい次の行動を取ろうと思う時には、少し間を空けることが賢明です。
つまり気分を一新するのです。
例えばパソコンをやっていて、次に違うこと、本を読むとか、他のことを行おうとするときに、連続して行うと、前の行動思考をそのまま引きずって、次の行動に入ってしまいます。
それをいったん断ち切って気分転換し、新しい気分で次の行動に入ると、心機一転した気分で行動できます。
私は毎日30分くらい瞑想をしていますが、瞑想に入る時にその前にやっていたことが、 頭の中に残っていると、なかなかその精神状態から脱して瞑想に入ることが難しくなります。
つまり、 瞑想状態に入るのに時間がかかるということです。
そこでその前の行動を断ち切る何かをすると、スムーズに瞑想に入れることを、経験上私は知りました。
わずかなこと、例えばトイレに行く、水やコーヒーを飲む、軽く歩くなどなどなんでもいいので、リセットするために、まさに「儀式」ともいえるようなことを行うのです。
これは『神との対話』の著者、ニール・ドナルド・ウォルシュさんも言っています。
その人特有の儀式を持つのは、人間の成長のために大いに役立つと言っています。
それぞれみんなが、自分独自の儀式を持つことは、意味があると思います。
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その3
「自律訓練法」という、心理学的な自分の潜在意識を書き換える方法も役立ちます。
本格的な自律訓練法というのは、30分くらい時間を要しますから、あまりちょくちょくやることは難しいと思います。
そこで、次のような簡便法が有益です。私はそれを試しています。
イメージによって自分を切り替えるのです。それを「ブロック解除」といっています。
灯りのついている天井の電球を消して外します。その時に、「変えたい」と思う自分の物事をイメージに浮かべます。
電球をゴミ箱に捨てます。
そして新しい電球をつける時に、同時に「こうありたい」と思う自分のイメージをいっしょに頭に浮かべます。
これだけです。おそらく1分くらいでできるでしょう。
例えば、人目を気にし過ぎる自分を変えたいと思う場合は、電球をはずす時に人目を気にし過ぎている自分をイメージします。
その電球をゴミ箱に捨てます。
そして新しい電球に付け替える時に、人目を気にしない自分をイメージするのです。
さらにもっと簡単なのは、「チェンジ!」と叫ぶことです。
声に出してもいいし、心の中で叫んでもいいと思います。
つまり、今好ましくないと感じる自分を切り替えたい時は、「チェンジ!」と叫んで、新しい自分に切り替えるということです。
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〈つづく〉
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│いのうげんてん作品
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│①著作『神との対話』との対話
│《 あなたの人生を振り返る 》《 自分の真実を取り戻す 》
│
│②ノンフィクション-いのちの砦
│《 ホスピスを造ろう 》
│
│③人生の意味論
│《 人生の意味について考えます 》
│
│④Summary of Conversations with God
│『神との対話』との対話 英訳版
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