<3-19> 病院寸話 《41.「科学的根拠に基づく健康的な食事」のすすめ》
<3-19> 病院寸話(月例朝礼での寸話)
《その41「科学的根拠に基づく健康的な食事」のすすめ》
昨今、超高齢社会を迎えて、BSテレビを見ると高齢者向けサプリメントの宣伝が目白押しです。丸焼きしたすっぽんの粉末をサプリとして販売しているのを見ると、真偽のほどは別にして、その商魂たくましさに驚愕します。
健康おたくの私は、健康にとって最も大切なものは食事であると常々思っています。
私たちにとって「健康的な食事」とは何でしょうか。議論百出ですが、それらに個人的体験談も多く、科学的に実証されているか否か不明なものもあります。
津川友介 UCLA大学内科学助教授は、日本で氾濫する健康情報に対して、警鐘を鳴らしています。医学情報の信憑性に問題があるというのです。津川友介医師の見解をまとめてみます。
医学情報には、①医師や専門家の個人的経験や意見 ②観察研究 ③ランダム化比較試験 ④メタアナリシス(多くの研究データを集計して統計学的に分析する方法)の順に科学的実証性が高く(つまり④が最も高い)、日本では、①の個人的な根拠から出版される書籍が多くあることが、情報混乱の原因の一つと考えられるとのことです。
④に当たる、複数の質の高い研究で健康に良い(=脳梗塞、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)ということが科学的に証明されている食品は、
(1)オリーブオイル
(2)ナッツ類
(3)魚
(4)野菜と果物
(5)食物繊維を多く含む雑穀類
(6)その他(コーヒー、ダークチョコレート等)
の6つです。
ここで注意が必要なのは、新鮮な果物をそのまま食べれば体に良いのですが、精製されてフルーツジュースになると糖の塊になってしまうので逆に体に悪くなってしまいます。
逆に、健康に悪いということが複数の研究で明らかになっている食品は、
①加工肉(ハム、ソーセージ等)
②赤い肉(牛肉、豚肉等)
③糖質(炭水化物を含む)
です。
日本でも以前は、食事の摂取量を減らしてがまんさせる「根性論的な栄養指導」が行われてきました。
しかし、数多くの行動科学や行動経済学の研究から、がまんさせることが正しい戦略ではないことは明らかになってきました。がまんばかりさせてもストレスになって、いずれは爆発して食べ過ぎてしまうことが多いことは、ダイエットでリバウンドしてしまうのと同じで明らかです。
このような理由から、現在ではがまんばかりさせる栄養指導よりも、食べる内容を「置き換える」栄養指導の方がより効果的であると考えられます。
健康に悪い食べ物を健康に良い食べ物と置き換えれば良いのです。つまり赤い肉と炭水化物を減らす代わりに、上記の5つの食べ物(オリーブオイル、ナッツ類、魚、野菜と果物、雑穀類)をお腹いっぱいになるまで摂取すれば良いと考えられます。
私は、上記の健康に良い食品に加えて、化学物質(農薬、成長促進剤、抗生物質、防腐剤、化学調味料、食品添加物)を使っていないものを選んで食べています。
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〈つづく〉
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│いのうげんてん作品
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│①著作『神との対話』との対話
│《 あなたの人生を振り返る 》《 自分の真実を取り戻す 》
│
│②ノンフィクション-いのちの砦
│《 ホスピスを造ろう 》
│
│③人生の意味論
│《 人生の意味について考えます 》
│
│④Summary of Conversations with God
│『神との対話』との対話 英訳版
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