<3-11> 病院寸話 《27. コンピューター 28. 回転運動が必要 29. 人生の目的は、自己を完成して宇宙の進化に寄与すること》
<3-11> 病院寸話(月例朝礼での寸話)
《その27 コンピューター》
今回はコンピューターについてお話しします。
私がコンピューターを始めたのは1983年で、その頃は日本でコンピューターが初めてパソコンとして使われ出した頃です。
1998年パソコンをまた買いましたが、そのころのパソコンとはあまりにも性能が違っていて、驚いています。
昔のパソコンは、一つのプログラムを実行するのに、フロッピーディスク(これも今や死語か?)からいちいちプログラムをインストールし、一つの作業ができるというものでした。今のパソコンは、いろんな作業プログラム(アプリ)のショ-トカットアイコンをデスクトップに置いて、一度にそれを利用できます。これは驚くべき機能差です。
ちょうどそのころ、すなわち1980年ころに、今は亡きアメリカのアルビン・トフラーという未来学者が「第三の波」という本を書き、世界的なベストセラーになりました。
その中で彼は第一の波が農業革命、第二の波は産業革命、第三の波は情報通信革命であるということをいっていました。
情報革命とはすなわちコンピューターによる情報化という意味です。そのころすでにアメリカではそのコンピューターによる情報化の素地が社会的にあったということですから、日本は、それより十年から二十年、遅れていることになります。
これからはどんどんと情報化社会となっていきます。
情報化社会というのは、情報社会という意味とは違います。情報社会というのは、情報が氾濫している社会のことをいいますが、情報化社会というのは、すべてが情報化すなわちデジタル化され、コンピューターによってコントロールされるというものです。
トフラー氏はその時、情報化社会が到来すれば、人々が仕事や作業をするのに、1ヶ所に集まる必要性は極端に少なくなると、予言していました。
コンピューターのInternetによる世界会議をしたり、あるいは日本とドイツと共同でリアルタイムの手術を行ったりしているのは、トフラー氏の予言が、現実化されている好例と思います。
さらに、現在のコロナ禍における会社のテレワークとか、学校のオンライン授業なども、その好例といえるでしょう。
そしてその先に、AIやロボットがあるのでしょう。
もう一つ重要なことは、Internetをアメリカでは80才近くのおばあさんが楽しんでやっているのを見ました。そこまで高齢になってから、初めてコンピューターをいじるのは大変なことです。ですからその前に、コンピューターを少しは使えるようになっておくことが大切だと思いました。
コンピューターは頭さえしっかりしていれば、たとえ手足に障害ができても使うことができるのです。
アメリカではそれが大変に発達していて、脊損のように手足が動かなくても目でコンピューターを操作するような装備もできています。脊損になった会社の社長さんが、アメリカからそういった装備を購入して、目でコンピューターを操作して事業を行って大変な事業を成功させているのがテレビで紹介されていました。
ですから頭さえしっかりしていれば、何歳になろうとコンピューターを使って世界との交流することができるということも、これは大変な社会的な革命になると思います。
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《その28 回転運動が必要》
宇宙の原則に、物事は回転運動をしているというのがあります。例えば地球は太陽の回りを回っているし、地球の回りを月が回っています。また原子の周りを、電子が回るというように回転運動が基本です。
気候を見ても、春夏秋冬という四季が回転運動をしています。または地上の水は水蒸気となって空に上り、雨となって地上に降り注ぎます。その回転運動があるために、その現象は永遠に続くことができます。もしこれが一方向の直線運動である場合は、一方に進むだけで、同じ状態を永続的に保つことはできません。
このように宇宙には1つの原則があります。これは私たちの社会生活においてもいえることです。私たちの日常生活で当てはめれば、この回転運動というのは、コミュニケーションということができます。すなわち情報が上から下に、そして下から上にとめぐることがその回転運動です。これが円滑に進むことが、組織においては大変大切なことはよくいわれています。
私は、この回転運動の内的な精神的なものとしては、愛情がそれに当たると思います。人と人との間の愛情がよく通う時に、その組織はスムーズに動きます。
そして、外的なあるいは物理的な回転運動とは、情報の交換だと思います。この内的な回転運動と外的な回転運動がスムーズに行われると、その組織は円滑に動きます。
そしてもう1ついえることは、この回転運動が、あるところでとどこおったりすると、そこにはよどみができて、腐敗が生じます。例えば川の水なども、沼などでいつまでもとどまってしまうと、その水は腐敗し汚水となります。
したがって、すべての組織における、あるいは社会生活における物事は、回転運動を良しとし、絶えず動いていくことを良しとします。
例えば、同一政党が長い間政権を持つと腐敗します。同じ人間が長い間権力を持つと腐敗します。全てにおいてこれがいえると思っています。
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《その29 人生の目的は、自己を完成して宇宙の進化に寄与すること-》
私が尊敬する、中村天風先生という方がいます。この方を知ったのは、野球の西武の元監督で有名な広岡達朗氏が、この先生の考え方を、西武の選手たちに教えて、それで、西武を優勝に導いたというエピソードがあるために、私はこの教えに大変関心を持ち、中村天風先生の著書を読みました。
その中には、インドのヨガのカリアッパ大教師から教わった中村天風哲学というのがあります。
それによると、宇宙霊(神)というのは、今にも人間の思いを実現しようと、私たちが積極的な思いを持つことを、待ち構えているというのです。そして私たちの生きる目的とは、自己を完成して、宇宙の進化に寄与することであるというのです。
1995年に、私が院長を勤める病院が大変な経営危機に陥りました。私はその時大変な苦境に立たされ、毎日が追い詰められた日々でした。
夜の11時を過ぎて、もう電話は来ないだろうという時になって、やっと心が落ち着くという惨状でした。
その時、この中村天風先生の本を何度も何度も読み返して、決してくじけてはならないというこの教えに、必死にしがみついていました。
「どんな苦境に落とされようとも、心だけは病してはならない。心さえしっかり持っていれば、宇宙のマシンは必ず動き出して、新しい道が開ける」というのがこの教えでした。
おかげで、道は開かれ、窮地を乗り越えることが出来たのでした。
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〈つづく〉
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│いのうげんてん作品
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│①著作『神との対話』との対話
│《 あなたの人生を振り返る 》《 自分の真実を取り戻す 》
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│②ノンフィクション-いのちの砦
│《 ホスピスを造ろう 》
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│③人生の意味論
│《 人生の意味について考えます 》
│
│④Summary of Conversations with God
│『神との対話』との対話 英訳版
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