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カルテに書けない よもやま話  作者: いのうげんてん
   病院寸話(月例朝礼・会議などでの寸話)
173/329

<3-5> 病院寸話 《13. 先駆者の道 14. 自主性》

<3-5> 病院寸話(月例朝礼での寸話)


《その13 先駆者の道》


挿絵(By みてみん)


 先駆者の道はいばらの道です。まだ誰も通ったことのない道を、試行錯誤しながら進まなければなりません。


 目的はハッキリしているのですが、その目的を達成するための行き先やその道のりは、分からないまま出発するのです。


 途中に何が待ち受けているかも分かりません。穴に落ちてしまうかもしれません。崖から転落してしまうかもしれません。猛獣に出会うかもしれません。危険を犯しながらそこを一歩一歩進むのです。


 先駆者が通った道を後から続くものは、気が楽です。そこを通れば目的地に行き着くことが分かっているからです。


 山登りでも同じです。ですから登山ルートは、初めてそれを開拓した人の名前を、それをたたえて、命名しているのです。


 先駆者は、発想を飛躍させなければなりません。誰も歩いたことのない道なき道を行くのですから、前と同じ発想をしていては道は開けないのです。したがって飛躍する勇気が先駆者には必要とされるのです。


 これに対して後継者は、持久力を持っていて、持続できる人でなければなりません。飽きることなくじっくりと構えられる人が、後継者にならなければなりません。


 このように人には、道を開拓する人、それを継承する人と、それぞれの個性と能力に応じて役割分担があるのです。


───────────────


《その14 自主性》


挿絵(By みてみん)


 あるバス会社が、自社の交通事故が多く起こるため、安全運転対策のために、職員を二つのグループに分けて、次のことを試しました。


 Aのグループは、運転手を集めて講習会を開きました。講師が安全対策について講義をし、それを運転手は学習するグループです。いわゆる「授業」タイプです。


 Bのグループは、そのグループの仲間同士で話し合いを持たせました。自分たちでどうしたら事故を防げるかを話し合わせたのです。


 そして実際にその対策後の事故の発生率を調べたところ、Bグループの方が成績が良かったのです。


 これはBグループは、自分たちでその対策を考え、事故防止のためのルール作りを自分たちでしたからです。


 人間というものは、自分で決めたことは実行しなければならないという、自己規制が働きます。


 ところが、他人が決めたことは、やるにはやるにしても、心の底から自分のこととしてはしないのです。たとえそれが上司の決めたことでも同じです。


 これがBグループの方が成績がよかった理由です。


 今ではこれは常識となりつつあり、研修方法などもこの方法が取られるようになってきています。昔風の一方的な授業方式の研修は、あまり成果が上がらないことが分かっています。


 これは自主性の尊重ということです。人から命令されてやるのではなく、自らの創意工夫で事をなすのです。命令されてやる場合は、命令以上のことは期待できません。


 今や組織にとって、職員の自主性をいかに高めるかが、組織発展のための大きな課題なのです。


───────────────


〈つづく〉



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│いのうげんてん作品      

│               

│①著作『神との対話』との対話

│《 あなたの人生を振り返る 》《 自分の真実を取り戻す 》

│②ノンフィクション-いのちの砦  

│《 ホスピスを造ろう 》

│③人生の意味論

│《 人生の意味について考えます 》

│④Summary of Conversations with God

│『神との対話』との対話 英訳版

└───────────────


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