第21話 乱入
私は『使徒』様に言われるがまま祭壇へと登っていく。私が生贄となることでエルフの里に住む精霊様達や他のエルフの皆さんが永遠に幸せに過ごせる。私はそう信じるからこそ途轍もない不快感に襲われながらも正気を保ち続けられる。『異端』である私が最後に皆さんの為に死ぬ。それだけが私の生き甲斐にして生きる意味だから私は今日この日に死ぬ。
遂に儀式が始まってしまう。僕は頃合いを見計らい、儀式へと突入する。
僕は儀式が始まるのをいまか今かと待ち続けているエルフ達を見下し、『始祖返り』を発見する。綺麗な金髪にエルフの特徴である長耳を備えていながらもその身体は震えており、器が完全に成っていない事を表している。それを見て僕は憤りを感じた。あの子の意思なのかどうかは関係ない。身体を震わせながらも必死に耐えているあの子をエルフや精霊種達は当然かのように見ている。僕にはそれが見ていられなくなり、作戦を開始する。僕は少しずつ高度を落としながら『使徒』が出てくるのを待つ。そして『使徒』が出てきた瞬間に降り立つ。
「はじめまして。愚鈍なエルフと精霊種達。そして久しぶりだな。『使徒』よ。」
僕が降り立ちそう言った瞬間『使徒』は即座に戦闘態勢となり僕に攻撃を仕掛けてくる。僕はそれを魔力操作∶霧散でいなし、こちらからも攻撃をくりだす。
『能力∶強制干渉』
「魔力属性付与∶氷。」
僕が能力を発動し属性付与をすると僕の周りにあった魔力が凍りつき、その力を物語っている。
「僕のとっておきだよ。存分にくらってね。」
僕等の戦闘に巻き込まれまいと逃げるエルフ達もいるがそれすら僕は逃さない。僕とお師匠様で開発した魔力操作技術のうちの一つ。
「魔力操作∶属性付与、空間波激。」
僕のうちにある魔力。それを波のように振動させながら放出することで物体を貫通しながら敵に攻撃を仕掛けることが出来る。僕はその特性を活用し能力を使って属性付与することでその属性の攻撃が広がりながら攻撃することが出来る。
「それがこんな氷だとこうなるわけか。」
僕の周りにはあらかじめ避けるようにしていた『始祖返り』と『使徒』以外の全員が凍りつき、物言わぬ氷塊となっている。
「僕さ、初めて全力で攻撃したんだよね。今まで5年間旅をしてきたんだけどさ、勇者さん達と同じだったせいかおかげというべきか。まさかこんな事になるなんてね。」
氷塊は里のほぼ全てを覆っており、僕がわざと避けた『使徒』でさえも攻撃の余波により氷に阻まれ、僕に攻撃を仕掛けることが出来なくなっており、エルフの里はもう氷の都へとその姿を変貌させていた。




