反乱−9
「お前が隊長・・で合ってるか?」
翔が隊長の前に立ち、見上げる。
身長差は、翔よりも頭一つ分大きいが、怯える様子は一切見せなかった。
「フッ、いい目をしているな。反乱者の割にはな」
男は翔を見下ろしながら、見た目年齢は30代ではあるが。
その口からは少し渋めの声が飛び出した。
「・・そうか?普通、反乱って覚悟が決まった奴しかやらないと思うが」
「フッ、そうかもな。なら、オレに倒される覚悟ができてるということだな」
細い目で睨みながら、背中から長剣を取り出してきた。
「それは、こっちのセリフだ!(と言ったものの。相手は剣・・それも、長剣。なら、近接戦すぎるのは良くないな。だとしても、弓矢の使用は論外・・はぁ、魔法で中距離戦法やるしかないな)」
翔は手に魔力を込め、戦闘準備を完了させる。
「早速、始めようか。・・はっ!」
男は剣を握り締めると、何かの力を使ったのを、翔は見逃さなかった。
「んっ?(何だ?魔力感知で見てみるか)」
すぐに能力を発動させ、男の観察を開始した瞬間・・
「刀に雷の力を!(雷と言えば・・なるほど。切られたら、動きが鈍れらせられる可能性があるな。避けるか、魔法で防御をし、肉体に触れられないようにしないとな)」
翔は大きめの炎の盾を生成し、防御に趣を置く選択肢を取ることにした
「まぁ、そうくるだろうな」
「手始めに・・『ウィンドカット』」
「フンっ!」
男は済ました顔をしながら、刀一振りで消し去ってしまった。
「(まぁ、通用するわけがないな。ハァ〜、短期決戦と行くか)『飛行』」
飛行ー
基礎魔法の中では、消費魔力がかなり高い上に。マリアナやヴァイスのように、使い慣れないといけない技でもある。
その上、翔にとっては、まだ習得したばかりの技。
「(これで空中から一方的にもう攻撃を仕掛ける!)『フレイムミサイル』!」
8つの炎の球を作り出し、男の周囲を覆い尽くすように地面に打ち込む。
「んっ。当たってないが・・なるほどな!逃げ場を無くす為か」
「『ハリケーン』これで終いだ!」
風の渦が炎を包み込むくらいの大きさとなり、男を襲う。
「なるほどな、いい組み合わせだ。だが、『プラズマ』」
手から放たれた黄色い稲妻が、瞬く間にハリケーンを覆い尽くす。
「あとは・・『アクアウェーブ』これで作戦は無効になったな」
鼻を鳴らしながら、男は勝ち誇ったかのような顔で魔法を使用する。
そして、男の周りで燃え盛っていた炎も、一瞬の間に鎮火させられた。
「・・そうか?『ライトニング』!」
翔は指一本を突き出し、魔法を発動させる。
『ライトニング』は、雷の如くのスピードで一直線に指先へ向かう。
「何だ・・なっ!グァァァ!」
「お前自身が撒いた水、それを利用させてもらうことにしたんだ。水を撒いたのは間違いだったな(って、分かりきっているかのように言ってみたけど。半分は運だな。水以外の特殊な何かを持っている可能性もあったわけだし・・まぁ、無くて良かったな)」
翔は浮遊を解き、水が浸っていない地面へと着地した。




