前夜
翌日の正午、カインによって会議が開かれた。昨日の襲撃によって、負傷した3人のメイドを除いた全員が集められる。
「はぁ〜、会議の前から、こんなにも疲れさせられるとはな」
カインが額の汗を拭き取りながら、そう言った。
時が少し戻り。
朝7時・・
「カイン殿、いますか〜。お聞きしたいことが!」
門の前で複数人の男女の大きな声が、カインの耳に入る。
カインは窓際まで移動し、外の様子を確かめると・・約20人の民間人が屋敷の前で発生していた。そして、その内の数人はカメラらしき物を構えているのも、うっすら見える。
「マドレーヌに聞いても仕方がないが。一体、何が起きているんだ?」
「おそろく、昨日の襲撃事件の事で記者が来ているんだと思います。ですが、本当のところを知る為には、彼ら本人に聞くしか無いと思います。」
「分かった。なら、僕一人で行こう。怒鳴りつけたりはしてないようだし。マドレーヌの言う通り、ただの報道陣の可能性が高いだろう。マドレーヌはここで見ていてくれ」と言うと、すぐさま窓を離れ、階段を降りだした。
「待ってください。本当に行くんですか?もしあの中に昨日みたいな暗殺者が混ざっていたら」
マドレーヌが慌てて、止めに入る。
「大丈夫だ。別に屋敷の敷地外から出るつもりはない。それに、こんな大勢の前で切りかからせる命令をするほど、王は馬鹿じゃな・・」と言いかけたが、カインの中では違和感が生じた。
カインから声をかけたとは言え。カイン自身に昨日襲いかかってきたのは、人が(ほぼ)住んでいない住宅地。だが、カインがいないタイミングで屋敷にも襲ってきた。
屋敷は、かなりの人が行き交う街の隅の方という目立ちにくさはあるものの。違和感のある激しい物音やらがあれば、十分耳に届く距離ではある。
「いや・・そんなことはないな」
顎に指を当て、真剣な顔つきで思考を巡らる。
「カイン様、どうかしましたか?急にボーッとされて」
マドレーヌに肩を掴まれ、カインはハッと我に戻る。
「いや、少し考え事をだな。昨日のことだが・・」
そう言うと、カインは感じた違和感を、マドレーヌに詳しく説明をした。
「確かに、大きな違和感ですね。意図的に、私たちの屋敷に注目を集めるのが目的・・ですが、襲撃者は失敗したと言ってましたよね?」
「ああ、言ってたな。だが、あの王の作戦が失敗したとしてもだ。後に、大きく響く可能性が生まれる事はしないはずだ」
「はい・・ですが。あ、あの、カイン様。彼らが、本当に報道陣だとしたら待たせすぎるわけには・・私も止められても行きますので」
そう言いながら、マドレーヌは心配そうに窓の外に視線を移す。
「分かった。なら、行こうか」
その後・・恐る恐る、人々の前に出たカインとマドレーヌだったが。
マドレーヌの予想通り、ただの記者や新聞社の雇われしか集まっていなかった。
「昨日、この屋敷の方面から、大きな衝撃音がしました。近辺の住民によれば、詳細は見ていないものの。そこの壁の修復作業を行っていたと発言がありました。何か情報をいただけますか?」
前列の記者が、マイクとカメラと共にカインとマドレーヌに詰め寄り。その後ろから、カメラだけが差し出される。
「分かりました。昨日の物音は、確かに屋敷で発生したものです」
カインは、いつもの王と話す時の冷静かつ表情を変えずにそう話す。
「やはり、そうでしたか!では、何が原因ですか?!」
「実は、昨日・・メイドの一人と共に料理をしていた際。魔法で時短をしようと試みた結果、失敗し爆発しました」
「な、なるほど・・」
記者たちが気まずそうな表情をシながら、メモを取る。
そのあと、カインたちに行われた質問は、事件とは関係なく。貴族関係などのものだった。
そして、時は正午に戻り・・
「そう言えば。なぜ、あの時、王のこと・・というか襲撃者のことを言わなかったのですか?」
「・・真実を伝えれば、信じないものが多数ではある。だが、僕の反乱の時のように、ついて来る者が生まれる可能性はゼロではない」
「カイン様は、カリスマ性に溢れていますからね。前の反乱の時もそうでしょうし、それも仕方がないことですね」
この星も、終盤に入ります!
ぜひ、お楽しみに!




