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リーダー

ルーシーの村に行く前に一つやっておくことがある。

それは。

学園側に出張として、休暇の申請を出さないと。

学生会のメンバーは全員その申請が可能。

その証拠として、写真は必要だけど。

この星って、何か海外の遺産に見た目は近いから、ごまかせるだろう。


さっさと手続きを済まして、私も向かおう・・って、何か忘れているような


10分後・・。

宇宙船から出た後。

「あっ!あそこ!」

ルーシーが南東の方向を指差す。

その先を実際に見てみると、村と海が視認できる。

「そこの村ね〜」

キラナが真っ先に歩き出した。

「今回はどのメンバーで行くの?マリアナ。私は1週間、出張申請を出したから、大丈夫だけど」

「それは・・まず。コスモス様の意見を聞く」

私?

いや、そっか。私がリーダーだった。

「なら、私と翔、マリアナ、キラナで行く。その間、ヴァイスはトライアに看病してもらう。かなり傷を負っていたから、休んどくべきだと思う」

「私も同意見だ。じゃあ、向かうとしよう」

「って、歩いて向かうの?」

何か、近未来的な移動方法は・・

「そうだ!私とヴァイスは『浮遊』を使えるが、コスモス様は?」

浮遊?

体を浮かせる魔法・・確かに基礎魔法の12ページ。2つ目に書いてあった。

コツは・・自分自身の魔力を均等に纏わせること。そして、後はイメージだけ

「はっ!」

その通りに魔力を操作してみると・・一気に体が上空に浮かび上がった。

体が軽い。

「えっ!うわっ!」

気がついた時には、地面に叩きつけられていた。

骨は・・折れていないようだけど。

かなり、背が痛い。

頭も軽く打ったようで、クラクラする!

「コスモス様!大丈夫か」

心配そうな表情で、駆けつけてきている。

「ハァハァ。空間魔法をほぼマスター出来たんだ。この位の魔法、すぐに・・」

皆が出来ている基礎魔法も出来ないで、リーダーだなんて・・

「コスモス!」

翔が私に手を近づけてくる。

「えっ?痛いっ!」

おでこがヒリヒリする。

よりにもよって、デコピン?

もっと、他にあったでしょ?

「確かに、コスモスの才能はどれも凄い。頭脳も体力も、今は魔法も。どれも俺より一枚上手。俺なんか、まだ、全属性の内3つくらいの基礎が使えるだけ」

・・・

何も言葉が出てこない。


「キラナ、ルーシー、先に行くぞ。場所はここから見えている。迷うことはないだろう」

「えっ・・う、うん」

「は〜い!」



「昔から、コスモスはそうだけど、突っ走りすぎだ!成功をした後では、特に!」

「そうだっけ?」

そんなこと・・あったっけ?

「あったぞ!それも何回もだ!」

「何回も・・」

そういえば、何で私は『浮遊』を試そうとしたんだろう。

出来ない可能性のほうが高いのに。

「ほら・・中学の時・・」

私だって、頑張って、思い出そうとしてるよ。

だとしても、出てくるわけが・・

「あっ!」

あった・・翔が言う通り何回も!


ー数年前ー

今日、私は剣道部の部長に指名された。

翔も後ろで拍手をして、誰よりも喜んでくれている。

そして、部活が終わり、帰宅

私と翔は剣を背負い、二人で他愛のない話を・・私が部長になった自慢話をしていた。

「おめでとう!コスモス」

「ありがとう。でも、これからだよ。もっと強くなって、全国1位を目指す」

それが単純だけど、私の夢。

「そっか。まぁ、でも、コスモスなら余裕だろ」

「そうかな?」

私が翔に微笑みかけた時だった。

「おい!金を出せ!」

近くから男の怒鳴り声が聞こえる。

またか!相変わらずの治安の悪さだ。

「行くよ!翔!」

「ああ!」

私達は中学の時から、こういった犯罪者に密かに対処していた。

声の方向からして、敵は路地にいる。

駆け足で路地に入り込むと。

「誰だ!」

敵は二人。

見たところ、武器は持ってなさそう

「さぁな!翔はここで見ていて。私が2人共倒すから」

剣を振りかざし、走る。

一気に距離を詰める。

「クソ!オラッ!」

相手が我武者羅に足を蹴り上げてきた。

やっぱり、武器を持っていない。

「見え見えな攻撃だ!」

足が私の顔の横を通り過ぎる。

「なっ!」

「残念!まずは、1人目」

腕を伸ばし、剣を槍のように動かし、両足に刺す。

「痛っ!」

男は倒れ込み、つらそうに足を抑えている。

「さて、もう一人は・・」

もう一人の男に目線を向ける。

「ひっ!」

もう一人の男が怯えた表情をして、逃げ出した。

「待て!」

その男を追いかけようとした時だった。

「コスモス!後ろ!」

翔が呼びかけてきている。

何?なにか問題でも・・

「えっ!」

振り返ると、倒れ込んだ男が銃口をこっちに向けている。

やばい、武器を持っていた

どうする・・剣で弾く?でも、逃げられてしまう

「コスモス!」

翔が取れこんだ男の手首に剣を振りかざし、切り落とした。

「やったぞ!」

だが、切った瞬間に銃弾がの発射音が路地に響いた。


「大丈夫か、コスモス」

何が起こった?

「確か、私は、撃たれたはずじゃ」

でも、どこも痛くない。

「もう!1人で戦おうとするから。銃弾はそこの壁に当たった。大丈夫、誰にも当たってない」

翔が左の壁の方を指差す。

よく見ると確かに、黒焦げた跡が残っている、

「ごめん。翔にも援護を頼めばよかった。そのせいで、翔を危険にさらしてしまった。その上、一人逃がしてしまった」

「結果的にお互い、無事だったんだ。だから、もう謝る必要はない。これからはちゃんと俺も戦うから。いくら、コスモスが拒否しても」

翔が微笑み、励ましてくれている。

「うん。お願い」

私も翔に目一杯の笑顔を返す。


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