表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたと私の分岐点  作者: maruko


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/44

44

 マリィは領地から戻ってきたルーセントにうんざりしていた。どうやら意中の女性が、ルーセントが領地に行っている間に、第二王子殿下の留学先へと、同行してしまったそうで、そうなると数年は帰ってこないという、彼にとってはお先真っ暗という事態になったそうだ。

 そう言った愚痴を延々と聞かされた上に、その原因の一つはマリィが手紙の返事をしなかったからだと、お門違いのことを言う。


 マリィは、毎回何かある度にナリッシュ男爵家(ここ)に来るルーセントは、友人はいないのだろうかと、思ってしまう。

 それを言うと、マリィが友人だから何もおかしい事はないと言い出す始末。

 だが、マリィはその辺は日本人(前世)の時に、色々と目にしたり聞いたりして知っている。男女の友情が成立するのは、全体で1%という低い確率なのだ。


 そしておそらく、マリィとルーセントはその1%に当たるのだが、周りがそう思ってくれないのが現状だ。


 今回の事の背後にエリフォーヌが絡んでいるのではないかと、マリィはちゃんと理解している。していないのは、次期公爵のくせに、婚姻に夢を見ているルーセント位だ。


「マリィの返事をかなり気にして待っていたんだ。きっと大事な事が書かれていたんだろう?どうして返事を書かなかったんだ!」


 ルーセントが鬼の形相でマリィに詰め寄るけれど、返事など書けるはずがない。何故ならまったく開いてもいないのだから、だがそれをルーセントに言うのは憚れる。彼はせっせと伝書鳩よろしく、意中の女性のお手紙をマリィに運んでいたのだから。


 それにしても⋯⋯。


 どうしてそんなに返事を待っていたのだろうか?

 ルーセントの事に対するマリィへの返事と考えられるのは、マリィから身を引きますなどの言葉位だ。


 でもルーセントはその人が好きだと言っているはずなのに⋯。


 そこまで考えてマリィは傍と気付いた。


 全てが自分の勘違いだったら⋯。


 だがルーセントの言葉の数々を思い起こしても、勘違いする要素が思い至らない。


 そこで思い切って、今まで全く興味がなかった為、聞く必要性を感じなかった事をマリィは、ルーセントに質問した。


「ねぇ、ルーセント様。ルーセント様が気になっていたという、あなたのお好きな方というのはどなたですの?」


 マリィの質問に、「嫌だなぁ好きとかでは⋯」とか「まだそこまでは⋯」などと、なんだか煮え切らない言葉を、指で頬を掻いたり、自分の頭に手を置いて髪を撫で付けたりと、わかり易く照れて、ルーセントはなかなか口を割らない。


 イライラしながら根気よく待つと、ようやくその名を口にした。


「実はね、マリィも知ってる人なんだ。モエラーズ男爵令嬢だよ」

「は?⋯⋯⋯⋯」


 マリィは、たっぷり20秒は放心していたが、気を取り直した瞬間。


「どうしてそれを早く言わないの!」


 とルーセントを叱りつけた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ