表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/35

その日の夜

 その日の夜になって。

 私はおふとんの中で、考えていました。

 トートン先生とミスティが結ばれたら、とっても素敵。

 トートン先生はやさしくて誠実だし、ミスティは生真面目で一途で。

 だからきっと、トートン先生をしあわせにできる……。

 二人が夫婦になったところを想像してみました。

 立派な学者さんと、控えめでしっかりした奥さん。

 うん、きっと、お似合いだと思う。

 それで、どうしよっか。

 結婚するなら、今のトートン先生のお部屋では、狭すぎるかも。

 ふたりで、しかも、家族が出来たら……。

 うん、この屋敷の近くに、一軒建ててしまえばいいわね。

 それだと、トートン先生も、今までみたいに図書室に通えるし。

 なんならミスティも、このまま私付きの小間使いになってしまえばいいし。

 それに……ミスティは私の養女になるかもしれないんだし。

 そうなったら、すてき……だけど、なんだか変な感じ。

 ミスティのほうが年上だもん。

 でも、まあ、きっと大丈夫よね……?

 ……そんなことを考えていると、私の部屋のドアが静かに開きました。

 私は、一瞬、どきっとしたけれど、でも、気配と忍んだ足音で、それが誰か分かりました。

 ハルは、ベッドの脇にかがんで、かけぶとんの上に出していた私の左手を、自分の両手で包み込むようにしてにぎって。

 そうして、そのままじっとしていました。

 私は、うれしくて、ハルを驚かせようと思って、ハルのその手をにぎり返しました。

「あ……」

「……こんな時間に女の子の部屋に無断で入るなんて、あんまり感心しないよ、ハル」

「うん……ごめん」

「ふふっ、いいよ。ゆるしてあげる……」

 そのとき、昨日ハルの手をにぎって眠ったときの、安心できる感じを思い出して。

「……そのかわり、お姉ちゃんが眠るまで、そのまま手をにぎってなさい」

「うん……」

 暗闇の中、ハルが笑ってくれたような気がしました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ