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Rad des Fatalität~希望の風~  作者: 甘藍 玉菜
一章【夢幻空疎の楽園聖都市】前篇
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第一話⦅-始まりの朝-⦆1/4




一日の始まりとは、まず目を開けることから始まるのではないだろうか。と僕は思う。

何が言いたいのかと問われれば、特に理由なんてものは存在しない。


まあともかくこれは、毎日いつもと変わらぬ当たり前の日常の、その流れの1つなのではないのだろうか。


目を開け、布団から抜け出し、二度寝の誘惑を振り切り。次に寝ぐせでボサボサすぎる髪を、何とかマシなところまで整えて顔を洗う。




そしておそらくは腰骨―上前腸骨棘あたりから生えている、ヒレのような翼の手入れをするところまでで、この流れは終わるのだ。



え、なんかおかしいって?流れが変?



まあ確かに、歯磨きも顔を洗う動作と一緒くたにしているからあれなのだが。毎朝歯磨きは生まれてからの16年、朝夕の一日二回しっかりとしている。


あ、嘘です6歳前後と10歳前後は何日かサボってました。そんでそれが親にバレてシバかれました本当にごめんなさい(震)


あと16年って言ったけど誕生日はまだ来てないですハイ。


そこじゃない?身支度の最後のあたり?

・・・なるほど、まあ確かに世間一般的に健全な男子の腰から翼が生えているなんてことはまずないだろう。


だが、それはあくまでも“現実”の“普通”人間なら・・・の中の話なのだが。



この僕──ゲイル・ヴェント──は普通の“人間”ではない。


今はセイレーンと人間との混血児、ハーフ。

最近の主流で説明するのならmixed。そういう存在としてこの世界に産まれてきた。


なので、腰だけとは言わずほかの部分にも人外的な要素はある。



髪は黄緑気味で、まるで羽根のように太い。というよりこれほぼ羽根だなうん。

羽根って念入りに手入れしないとすぐボロボロになるし大変なんだよねー。



鱗もビッシリではないが、勿論生えている。

青いオパールのような色を小さな鱗が、3つ4つとかたまった感じのがちょいちょいと散らばっている感じだ。

普段は肌に同化した色なのだが、これが光に当たるとキラキラと輝くので僕は秘かに気に入っている。


これ口にすると、ナルシストに見られるからあまり人には言わないが。


ちなみに無理に剥がすと痛い、爪を剥がすみたいにかなり痛い。勿論血も出ます。

ぶっちゃけ他人にされたら、きっと物凄く泣くという自信はある。



エルフのように尖った耳の後ろからは、羽耳がまるで牛の角のように、額の上にくる感じで生えている。

あ、エルフ耳って言ってもロバ耳のほうじゃなくって、ちょっと先が尖っている感じのやつね。



手足も勿論普通ではない。腕は指が四本あり第一関節から先は爪のようになっている。

足は鷹を思わせるような、まさに鳥の足っぽくなっていて、でも蹴爪と後蹄はない。


これには流石に個人差があり、人の足のような形でも蹴爪があったりとか、普通に鳥の足のように後蹄もあったりとかする。


僕の場合は、ただ単純に上の2つが無いだけなのだ。



まあぶっちゃけこのままだと歩きづらく、そして僕の足はどうやら、他の人と違って上手にバランスがとれないみたいで。普通に歩こうとすると、けっつまづくか転けてしまうことが多い。


これはどうしてかというと、僕は他のセイレーン種やハーピー種などと違い人並み、というか平均よりも少ない筋肉しか持ち合わせていないからだ、そうで。



鳥類って実はかなり筋肉質なんだなってびっくりしたわ、母さんそれなりに細くてスレンダーだけど、腹筋エイトパックだし腕とか足とかまさにカッチカチ・・・・・・・・




・・・まあいいや話を戻そう。


ともかくそういうわけで、僕はヒールが若干高めのブーツを履いている。これは高めのヒールを履くことにより、踵にも体重をかけられるからだ。

性能はエンジニアブーツみたいなやつで、4㎝位の太ヒールタイプ。丈は膝下まである。


僕の足はまさに鳥の足みたいな感じなので、先端と踵部分が無いタイプなんだが。

まあつまり見た目は、ブーツサンダルみたいな感じかな。



靴だけとは言わず、僕には腰にも翼のようなヒレのようなものがあるため、ズボンは袴のように足の脇が開いているようなデザインの物となっている。


こうでもしないとヒレが傷つくし、何より服と擦れて地味に痛いのだ。

この腰の部分のヒレは・・・すさまじくデリケートなのだ。


一応ヒレにも血管は通っているので、もしも細かい傷が原因で悪化したら・・・・・・(怯)




昔母さんが口を酸っぱくして、僕に注意しながら言っていたのは・・・



─ヒレが駄目になったら切り落とす─


昔って言うか、今でも言っているな。



ちなみに僕達セイレーン種は、魚と鳥の中間のような姿をしている。空を飛ぶと言うよりは、海中を飛ぶように泳ぐ、というのが正しい。ペンギンみたいに。


セイレーンで特徴的なのは。

涙は流れない、舌は乾いていて唾液も出ない。

そして悲しみを表したい場合、その時は歌で表現する。


というものが大体の共通だ。




上記でも言った通りこれにも個人差はあるが、母さんは腕に鳥の翼のようなものがあり、下半身は僕と同じように腰に翼のようなヒレがあり、足は鳥と魚人の中間に近い形をしている。


中には魚のような尾がある人もいるらしい。





ついに始まりました。


・・・・始まっちゃったのかぁ



セイレーン等モンスターの解釈は、あくまでも独自のものです。

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