表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/3

転生2

…んん。お日様の匂いがする……


ゆっくりと目を開けると、視界に入ったのは肉球ではなく、白く透き通るような自分の「人間の手」だった。

ただ、頭を振ると、側頭部でピンと立った白い猫耳がピクピクと動く。お尻の方には、感情に連動してゆらゆら揺れる白い尻尾。


「よし、人間に近い姿で良かった。これなら道具も扱いやすいしな」


俺は、神様から貰った「最強の拒絶」の力、完全定時(結界術)を意識する。

目の前にあるのは、ふかふかの苔が生えた大きな岩。


「ここを今日の有給休暇(結界術)の拠点とする。……発動」


俺が指をパチンと鳴らすと、岩を中心とした半径3メートルに、目に見えないほどの薄い膜が張られた。


防音: 100%カット。外界の騒音は一切届かない。


温度: 常に「昼寝に最適な26度」に固定。


物理拒絶: 業務外(俺が許可しないもの)の接触を全否定。


「ああ、天国だ。前世のあの、怒鳴り声とキーボードの打鍵音しかないオフィスが嘘みたいだ…」


俺は岩の上に寝転がり、白い尻尾を抱き枕のようにして目を閉じた。

……はずだった。


ドンッ!!!!!


「っ!?」


結界の膜に、何かが激しくぶつかった衝撃。

物理的なダメージはゼロだが、視覚的な情報がうるさすぎる。


目を開けると、結界のすぐ外——わずか数センチのところに、巨大な火竜の鼻先があった。

火竜は必死な顔をして、俺の結界にその巨体を押し付けている。


「おいー!デカブツ。そこ、俺のプライベート空間なんだけど」


結界の外では、銀色の鎧を着た騎士たちが叫んでいる。

「なんだあの結界は!? 火竜の突進を片手間に止めているぞ!」

「あの中にいるのは……猫耳の少年か? 聖域の守護者か何かなのか……!?」


「(いや、ただの社畜だけど……」


俺はゆっくりと起き上がった。

猫耳が不快感でヘニョリと伏せられる。


「…あー、もう。これ放置してたら、騎士たちまで雪崩れ込んできて『ご協力お願いします!(仕事押し付け)』とか言われるパターンだろ。前世の『ちょっとこれ手伝ってよ』と同じ匂いがする……」


俺は不機嫌なオッドアイで火竜と騎士団を交互に見た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ