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「キャサリン様!心配しました~」
「ごめんなさいね、セシリア」
セシリアにぎゅっと抱きしめられ、
心配かけて申し訳なかったと思うと同時に、
誘拐されたのが、セシリアじゃなくて良かったと思う。
「それで、王子と付き合う事になったんですか?」
「え?」
「だって、王子、キャサリン様の事、好きですよね?」
「セシリアはそれでいいの?
王子が好きじゃないの?」
「王子の事ですか?
むしろ、キャサリン様を巡るライバルって感じです。
お互いとっちが一番かってね、
私が好きなのはジョゼフ様です!」
「ジョゼフ様って、神官の?」
がーんとショックを受ける、
ゲームで攻略に失敗した時、
強制的に結ばれる相手だ・・・
私・・・失敗したんだ・・・
「私、今アタック中なんです!
何度も教会に通って!
ジョゼフ様、私みたいな年上が・・・
なんて断れるんですけど、絶対諦めません」
ジョゼフが断った?
絶対結ばれるキャラじゃないの?
「ジョゼフ様のどこが好きなの?」
セシリアはあはははと笑いながら続ける。
「養父の孤児院長さん、
子供の頃、大人になったら結婚するって言ってたんです、
まあ、父親と結婚するって、
小さい子がいうのと同じですね。
ジョゼフさんは、何となく養父を感じさせるんです。
どんな人でも包み込む感じとか・・・」
「本当に好きなのね」
「はい!」
ならいいかと思う。
セシリアが本当に好きと思える相手と出会えて、
これからどうなるかは分からないけど、
私にできるのは応援するだけだ。
「王子の計らいで、
私はこの城併設の教会で、回復魔法の使い手として、
働く事が決まりました、
怪我をしたらすぐに呼んで下さい!」
「ありがとう」
メアリーが続ける。
「それと、フレデリック・エバンス主催のパーティで、
中庭でこっそりと、フレデリック様がカレン様に
告白したって、ロマンティックだったと聞いているよ」
「まあ、それは嬉しい知らせね」
「王子、見習っていいかげん決めて下さい」
メアリーがじろりと王子を見る。
「手を」
王子が手を差し出してくれる。
その手にそっと私の手を重ねる。
そのまま、ゆっくりと王子が歩くままについていく。
やってきたのは、色とりどりの花が咲く庭園だった。
王子がゆっくりと膝まずいて、手を取り直す。
「キャサリン・セーラム嬢、
貴女を愛しています、私の妃となって下さい」
「はい」
私が答えると、ゆっくり手の甲に唇が落とされた。
そのまま立ち上がると、
ゆっくりと唇が重ねられる。
私は目を閉じ、幸福に心が満たされるのを感じていた。




